2017.06.28

村の一年

村民になり1年が経ちました。
父になり1年が経ったことにもなります。
父になってのこの一年の振り返りはイクメンブログに書くとして、ここでは村に住み始めての感想を。
そもそも、村に住みたいと思ったのはここ2~3年でした。
空の開けた埼玉で育った僕にとって檜原村の第一印象は「ココには住みたくないな」でした。
そんな僕がなぜ村に住みたいと思ったのか。
それは厳しい自然とそこに生きる人に魅かれたからでした。
僕は星野道夫が好きなのですが、そこに書かれているアラスカとここ檜原がどこか似ているような気がしたのです。
星野道夫はアラスカの厳しくも美しい自然に魅かれてその地を訪れたのですが、そこで暮らしていくうちに、厳しい自然の中で逞しく暮らす人々に触れることでアラスカへの定住を決めました。
檜原はアラスカほど厳しくはないかもしれませんが、寒いのが苦手な僕にはアラスカと変わりません。(笑)
仕事で知り合った村の人たちと話していると檜原の自然を映し出しているような逞しさと優しさを感じるのです。
村に住み始めたのが夏でした。夏だというのに早朝は肌寒く、結局羽毛布団はしまわずじまいでした。
家のすぐ裏が山なので朝はヒグラシの大合唱で目が覚めます。あの情緒ある鳴き声も大合唱ともなるとお腹いっぱいです。
隣は沢が流れており、普段はチョロチョロと気にも留めないほどですが、台風の季節になると滝つぼにいるのではと思うくらいの轟音になります。
秋はお祭りの季節。僕が住む集落ではお神楽を奉納しています。
素朴でありながら力強くとても面白いです。
五日市から檜原は秋になると各地でお祭りがあり、どれも魅力的です。
家にはいろんな動物や虫が訪れてきます。
サルは柿の木に登って実をむさぼっていたり。
夜にはイノシシが前の畑を荒らしにきたり。
もこもこのタヌキがとことこ道を横切ったり。
屋根裏ではネズミたちの運動会。
鳥達の囀りで目覚めることが出来たらいい気分。
軒先にスズメバチが巣を作って、どうしようと思っていたら、ジョロウグモが巣の近くに蜘蛛の巣を張り翌日には全滅させてくれました。
大きなアシダカグモは他の虫を食べてくれるので居候してもらってます。
そして冬。
覚悟はしていましたがやはり寒い!石油ストーブを焚いていましたが全然足りません。来年は薪ストーブを検討。
しかし、いいことも。
今までは五日市から極寒の檜原へ通勤していたので寒いと感じていましたが、檜原に住んでしまうと朝一が一番寒いので「これから暖かくなるんだ」と前向きになれます。
そんな冬を経験しているので待ち望んだ春は輝いています。
やっぱり春はいいですね。山の恵みもいただけるし。
村では沢山の方からおすそ分けを頂きます。ご近所さんと山からのおすそ分けで食卓が飾れそうなくらい。
と言った感じで檜原村の一年が過ぎていきました。
大変なこともありますが新鮮なことばかりで毎日刺激的です。
こうして村の仲間入りをしていく飯塚一家でした。

この日記を書いた人

飯塚 達郎

飯塚 達郎

1986年生まれ。埼玉県新座市出身。琉球大学農学部卒。食品製造の工場勤務を1年経た後、「自然の中で働きたい」と転職。愛読書は植物図鑑、渓流釣りが趣味。ツリークライミング®ジャパン公認ファシリテーター。

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