山のいまとむかし

みなさんこんにちは。東京チェンソーズ2年目の佐田です。

中途採用で昨夏、入社したため新人ブログを免除(?)されていた「遅れてきた新人」です。
林業の世界に入って6年目。学校で例えると、今年でようやく小学校卒業といったところですが、初心を忘れず、技術者として少しでも上達していけるように頑張りたいと思っています。これからよろしくお願いします。
さて、今回のブログ。私も前回の大塚に続き同じく、当社の理念の一文「山のいまを伝え」をテーマにしたいと思います。

IMG_6503-2
 「その丸太、十尺で切っといて」「五分のワイヤー持ってきて」「三五角でとって」等々——。林業の現場で最初に驚いたのが旧来の長さ・面積の単位である尺貫法がいまだに現役で活躍しているところです。特に年配の方と仕事をすると顕著になります。
ご存知の方も多いかもしれませんが、 木材の供給先である材木屋さんや大工さんの間では今も、尺貫法が主流。林業もその流れを受けています。
  1尺=30.3㎝。1寸はその10分の1。長さの尺はなんとなく見当がつくので、その場の状況と先輩の目線を盗み見ながらなんとかやり過ごしてきましたが、「何石になるの?」と、材積を示す石数がでてくるともうお手上げです(ちなみに一石0.272立方m。1立方3=3.6石だそうです。ピンときませんね )。
また先日、同業の先輩との話のなかで「一丈の木を切った」とでてきました。ここでいう一丈とは目通り十尺、目の高さでみた幹周が303㎝、つまり直径約1mの巨木を切ったということです。いつか私もそんなに大きな木を鼻歌を歌いながら切れるようになりたいものです。
11760613_905829062796284_1939810214_o
(竹で作った尺棒と呼ばれるスケールを使って材木の長さを測っています)
 長さと同じく、面積を示す単位もhaではなく、普段の仕事では町歩、反を使います。「今回の間伐は3町歩」「1日2反草を刈ろう」といった具合です。一町歩は縦×横100メートル。1haに相当します。その10分の1が一反。一反は元々、米一石を収穫できる面積とされてきました。米1石は約180リットル。大人一人分の年間消費量に相当します。
そのほか、両手いっぱいに手を広げた長さ一尋(ヒロ)=約180㎝もよく使う単位です。
西多摩地方の標準的な植林方法は同じく縦横1.8m間隔。この間隔で植えるとちょうど一町歩3000本となります。
 いろいろ羅列ばかりで段々と訳が分からなくなってきましたが、長さの尺・寸は元々、人間の手のひらに由来するヒューマンスケールといわれています(インチと同じ)。また面積の町歩も作物の収穫量に由来するいわばネイチャースケールといえます。
住宅で尺貫法が廃れないのも、日本人の身体と生活に密着した単位だからだといえるでしょう。広く流通する国際単位はわかりやすいですが、身体や自然を基準とした旧来の単位も大切にしていきたいですね。
FullSizeRender
(構図が怪しい…)
ここでようやく表題のイワナの別写真。先日、私が奥秩父の源流で釣り上げた天然の尺イワナです。(実はこれを自慢したかっただけ)。一説によるとここまで育つのに4年以上。尺を超えるかどうかが大物の一つの基準です。
しかし、よーく見るとこの写真は若干、撮影時の角度を操作してギリギリ30.3㎝に見えるようにした気配が…。こういった尺に届くか微妙なサイズはいわゆる「泣き尺」といって、ベテランには鼻で笑われるサイズです。面白いですね。
 (佐田)
Return Top