2015.12.11

山のめぐみ

先日、お亡くなりになられた水木しげる先生に続くかのような、昨日の野坂昭如氏の訃報。大変驚きました。少年時代「ゲゲゲの鬼太郎」で友情を学び、「のんのんばあとオレ」で郷土を愛する気持ちを育み、長じて思春期になると「エロ事師たち」で大人の世界を垣間見させてもらった自分にとって、お二方には多大なる影響を受けました。TBSラジオ土曜ワイドでの野坂先生からの手紙を毎週拝聴していたので、まだまだお元気だと思っていたのに。残念。1960年代に描かれた、ベトナム妖怪と鬼太郎率いる日本妖怪たちが共闘してアメリカ軍と戦うという異色の妖怪漫画「鬼太郎のベトナム戦記」が何十年ぶりかの再販された際、この反戦漫画の社会的意図を改めて問うた編集者に「(当時忙しすぎて)書いた覚えがない」と真剣に応じられていた水木先生。学生時代に真面目に解説を読んでいて驚愕した思い出があります。野坂氏も、娘の国語の宿題で「火蛍の墓」が扱われた折、クライマックスで主人公が節子を荼毘に付す有名なあの場面について、作者の心情を答えよとの問題で「締め切りに終われて必死だった」とのたまった逸話が残っています。表現と仕事、プロ意識について大変考えさせられるお話です。作者の心情を答えよという、お決まりの設問をあざ笑うかのようなエピソードから、分野は違えど反骨精神で似通った所のあったお二人の人柄がうかがえます。謹んでご冥福をお祈りします。
さて、前置きがかなり長くなりましたがここからが本題。ちなみに前述の内容と本題は関係があるようで実はまったくありません。どの職業にも当てはまることですが、それぞれの仕事特有の役得があります。林業でいえばもちろん、過酷な労働でもれなくシェイプアップできる…。半分あっているようですが、実際は結構苦しいので役得とはちょっと違いますね。もっと単純に。そうです!木がたくさん手に入る!!ということです。伐採作業に関わっていると、丸太として出荷できない端っこ(タンコロといったりします)や商品価値が下がる少しシミが入っている部分、また桜や栗といった雑木はそのまま廃棄処分になることも多々あります。仕事にようやく慣れてきた頃からこれらの材を時折いただいてDIYを始めるようになりました。とはいっても、専門知識も道具も十分にないため暇な時間の手慰み程度です。今回はその一部分をご紹介したいと思います。
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【No1】丸太イス
そうです。みたまま丸太イス。以上。。。では、つまらないので少し解説します。これはヒノキの50年生で皮付き背割りなし。直径25センチほど。たかさは50センチほどか。皮がついたままなのは面倒だったため、背割りがないのも同じ理由です。背割りがないとヒビが入りますが、座り心地には影響しません。現在は自宅のベランダでおもに星を見上げる時に使っています。年に1回あるかないかですね。一見、チェンソーでさくっと切っただけの簡単な代物だろうと思ったあなたは、誤解しています。このシンプルを極めた形状こそが、意気揚々と林業界に入ってきた新人が直面しては挫折して打ちひしがれる、また恥を忍んで告白しますが6年目の私でさえもいまだに解決できない「チェンソー水平問題」という難問を克服した者のみが形作れるシェイプなのです。タテ、ヨコ、ナナメ、がそろって初めて水平です。説明する必要もないですが、断面が斜めだと座りにくく、モノがおけません。そう考えてから改めてみると、あら不思議。切り口がまるでコルビジェの水平のようにみえてきますね。(私は水平器を使いました)
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【No2】積み木
長男の1歳祝いでなにか贈ろうと考えて作ったモノ。無垢ヒノキの積み木です。折角なら自分で山から丸太を切り出し、天然乾燥させて、製材してカンナをかけて、鋸で手刻みでやろうと思ったのですが、そこまでやると乾燥だけで半年ほどかかるとわかり、こだわりすぎると2歳のお祝いになりそうだったので断念しました。どうせそこまでこだわるなら、自分で植えて育てて手をかけて、30年ほど経ったら伐採するところまで一貫したやりたいですよね。でもなかなかそんなことはできません…。と、思ったらそんな体験ができるシステムがあるとは!!(http://birin.club/)。2期目が絶賛募集中です。みなさま山でお待ちしております。積み木は結局、ホームセンターで買った国産ヒノキを鋸で切ってサンドペーパーかけ。デザインは某メーカーの意匠を参考にさせていただきました。無垢なので赤ちゃんがなめても平気です。ちなみに次男の1歳プレゼントはトミカ。露骨に手抜きです。まったく末っ子はかわいそうですね。
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【No3】子どもイス
長くなりましたがみなさまついてきてますか。段々と調子がでてきましたよ。続いては子どもイス。これは「桧原都民の森」で利用できる木工体験室で作らせてもらいました。材料込みで1500円。破格ですね。1時間ほどでつくれます。向かって左が長男用。こっちはクルミの油を塗ったので少し茶色いです。3年ほど経って良い感じに年季がでてきました。クレヨンで落書きしたりとやりたい放題です。もう一方が次男のために追加したもので、我が家唯一の子どもイスを巡って延々と繰り広げられる「イス取り戦争」に終止符を打つため、万を持して先月導入しましたが、平穏は生活はまったく訪れず。今度はさらなる「イスのポジション取り紛争」が勃発。なかなかパワーバランスは整いませんね。早く平和的解決が訪れることを願っています。
【番外】マムシ酒
もはや木工とはなんの関係もありませんですが、これも山の恵みということで。マムシ酒です。そう、見せびらかしたいだけです。生け捕りにして焼酎に漬け込んであります。6年モノになりました。飲用すると風邪薬。捻挫などの患部の腫れには塗り薬として効くそうですが試したことはありません。何故ならめちゃくちゃ臭いからです。その臭いは、説明できないような強烈な臭いなので、ちょっと説明できません。また、一度嗅ぐと忘れられない生臭さは、生臭くて一度嗅ぐと忘れられません。と、同義反復でしか表現できない香りです。興味がある方はご連絡いただければ好きなだけ飲ませて差し上げます。そして私にに感想を教えください。(以下の写真は爬虫類が嫌いな方は注意してみてください)
 
 
 
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