素材が届くまでのストーリー


春、檜原村に黄色の福寿草が咲く頃、山では「植え付け」の準備が始まります。
朝いちばんに苗木を軽トラに乗せて、山に出発。
植え付けは山のてっぺんから始めるので、まずは重たい苗木の束を上まで運びます。それから、横一列になって作業を始めます。穴を空けて苗木を据えたら土をかぶせ、しっかり足で踏み固め、乾かないように葉っぱなどをかぶせて完成。苗木が乾かないようになるべくスピーディーに。
こうして1ha(100m×100m)に約3,000本の苗木を一本一本植えていきます。

夏になると、「下刈り」が始まります。春に植えた苗木の周りに生えてくる雑草やツルを刈る、という作業です。雑草が大きく育って苗木にかぶってしまうと苗木は成長できません。また、ツルが苗木に巻きついてしまうと、曲がった木になってしまいます。

秋から冬にかけての時期は木が休息し、根から水を吸い上げなくなるため、枝打ちや間伐、主伐に適したシーズンです。

枝打ちは、幹がビール瓶の太さになった頃から始めます。よく切れるナタで、幹ギリギリをスパッと切ると、枝打ち跡が綺麗に修復され、4面とも節のない柱材が取れる良材となります。
また、枝を落とすことで、栄養が枝に流れることなくまっすぐな丸太になります。
もうひとつ、枝を落とすとよいことがあります。枝打ちをすると林内に光が差し込み、明るくなるので、林床の微生物の働きが活性化し、落ち葉の分解が進んで良い土壌ができ、生物多様性にもつながります。
このように、枝打ちは良い木材を仕立てるために、とても大事な作業です。

間伐は「間引き」のこと。1haあたり3000本植えた木を、だいたい30年で2~3割伐採します。伐るのは成長の悪い細い木、曲がっている木、二股の木など。間伐によって林内に光が入り、隣の木との空間ができるので、残った木はより太く成長し、同時にしっかりふんばろうと根を張ります。間伐は木の成長に合わせて数年おきに繰り返します。


そうして50年、60年ほど成長したら、ようやく一人前となり、収穫のときを迎えます。これを「主伐(しゅばつ)」と言います。木を伐り、土場に集めて枝を払い、規格の長さに切って「丸太」という商品になります。

主伐が終わったあとのエリアには、枝葉や潅木などが散らばっているので、「地拵え(じごしらえ)」という片付けの作業を行います。
そうしてまた新たな苗木を植え、育て、また50~60年したら収穫する、というサイクルを繰り返します。

このように、森林は日本が唯一もっている再生産可能な資源なのです。