2015.08.12

木を活かす

皆さんこんにちは飯塚です。
突然ですが下の写真のお家は誰の家でしょう?
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そうです、僕の家です。
嘘です。
我らチェンソーズのアジトです。
今流行の古民家です。いいでしょ?
築年数は不明。400年とも言われていますが・・・。
このアジトに案内すると皆さん「いいですねぇ!」と言ってくれますが・・・。
色々と弱点もございます。
冬寒かったり、冬寒かったり、冬寒かったり・・・。
でも雰囲気は最高です。
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古民家といえばこの存在感のある梁ですよね。
いやぁ、カッコイイ!
この絶妙な木の曲りを昔の人は活かしているのです。
匠の技です。
ツーバイフォー建築が主流になっている今となっては、このように曲がったぶっとい梁を住宅で見ることなんて少なくなっていますよね。というか柱や梁自体隠れていますね。
でもこんな風に立派な柱や梁が見える方が安心します。
屋根裏に上がってみましょう。
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屋根裏は現在使われておらず、チェンソーズの人間でもなかなか上には上がりません。
昔、ひのはらでは養蚕をしている家庭もあり、ここもお蚕様のお部屋だったそうです。。
檜原を訪れると兜造りの古民家をよく見かけますが養蚕を営んでいた家だったんですね。
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この小屋束(棟木を支える柱)も特徴的ですよね。野地板(屋根の下地板)もミミ(丸太の表面)を残しているし
昔の家の方が自由な感じがしますね。木をそのまま活かすところとか難しいんでしょうけど。
梁の側面をよく見てみると・・・
IMG_2060何やら模様のようなものが。
これは大工さんが木を製材するときにできたものだと思われます。
昔は製材機なんてものは有りません。なので大工さんは鉞という斧(金太郎が担いでるヤツ)で手作業で製材しました。今でもあんなに曲がった木は製材機にかけられないので手作業です。
チョウナという道具でも製材することもあります。
丸太の上に乗って鉞やチョウナを操るのです。
ちなみにチョウナで仕上げた加工を名栗(なぐり)、鉞で仕上げたものを杣名栗(そまなぐり)と言います。杣とはキコリのことですね。
昔は木を山から出すときには辺材を鉞ではつって出していたといわれています。
名栗って聞いたことありませんか?
そうです。青梅から山を越えるとそこは名栗です。弊社加藤の出身地名栗は古くから林業が盛んな土地。
その昔、飯能から流れてきた材は優良であり、それは江戸から見て西の川から流れて運ばれてくるので西川材と呼ばれました。
その中でも名栗から出てくる材はすでに辺材がはつられており、なぐられている状態だったため、その土地を名栗と読んだそうです。
 
嘘です。
ごめんなさい。ホントは大きな栗が沢山あったからだとか・・・
でも名栗は昔から林業地だったし、僕の考えた嘘の説の方がありえそうじゃありませんか?(実は少しそうなんじゃないかと思っている)
そんなことはさておき
木を活かすということではもう一つIMG_1677
これまたカッコイイ!
これはあきる野市の菅生地区に保存伝承される組立舞台です(東京都有形民俗文化財)。地芝居である菅生歌舞伎がこの上で公演されます。
構造材は丸太で屋根は竹で組まれています。この後幕などで飾られてなかなかの迫力でした。
このように木を活かすには技術が必要です。
しかし木の魅力は他には代えられないものです。
皆さんどうですか?木で家を建てたくなりましたか?
その際は是非東京の木で!
(飯塚)

この日記を書いた人

飯塚 達郎

飯塚 達郎

1986年生まれ。埼玉県新座市出身。琉球大学農学部卒。食品製造の工場勤務を1年経た後、「自然の中で働きたい」と転職。愛読書は植物図鑑、渓流釣りが趣味。ツリークライミング®ジャパン公認ファシリテーター。

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