2016.06.09

南国研修旅行

いよいよ関東も梅雨入りしました。
どんよりして、なんとなく肌寒い日もあったりして、どうもスッキリしません。
霧が立ち込める山の風景も幻想的でいいけど、やっぱりピカー!っと晴れた日が好きです。
夏が待ち遠しい!
そんな夏好き加藤。5月の中旬に一足早く夏を味わってきました。
どこでかというと、、、そう、沖縄!
実はこの歳にして初上陸。夏好きと言っときながら夏の聖地、沖縄に行ったことがなかったのです。。。
とにかく、思い立ったが吉日、数日後には梅雨入り直前の沖縄に降り立っていました。
(GW開けの沖縄は驚くほど安く行けます!)
まず感動したのは沖縄の青い海でも賑やかな国際通りでも目鼻立ちのくっきりした沖縄美人でもなく、
そこらの公園や通りに平然と生えているガジュマルでした。

那覇。旧崇元寺(そうげんじ)石門内の大きなガジュマル

那覇。旧崇元寺(そうげんじ)石門内の大きなガジュマル


石段に張り巡らされるガジュマルの根

石段に張り巡らされるガジュマルの根


「なにこれキ○い。枝から根っこがビロビロ垂れてるし、幹がドロドロ溶けてるみたいでグ○い」
すいません。
でもこれが率直な第一印象。これでも感動しています。
いわゆる最近の若者が多様する「ヤバい」みたいなやつです。
気持ち悪いほど不思議な造形で、グロテスクなほど生命力に溢れてる。
植物というより「生き物」という感じで、こんな奇怪な木がビルや住宅街に当たり前の様に根付き、生活の中に溶け込んでいる様はかなり新鮮で、
ああここは南の島なんだ、本土とは気候も文化も随分違うんだと強く思いました。
そんなわけでガジュマルにカルチャーショックを受けて始まった沖縄旅行。
GWの混雑もひと段落した頃で、天気にも恵まれ連日快晴、気温30度。
嫌というほど日焼けしながら、観光地や島を巡り、様々な景色を見て、南国の暮らしを知り、夜は地元の人々や旅人と酒を酌み交わす。
毎日素敵な出会いと発見があり、沖縄が大好きになりました。
沖縄の妖怪、キジムナーにも出会えました

沖縄の妖怪、キジムナーにも出会いました


さてここでもうひとつ紹介しておきたいのは、「イヌマキ」という木です。
名前からわかるように槙の木の一種。庭木としてよく植えられている木です。
「マキ」というだけに妙に親近感が湧きます。。。というのはどうでもいい話で、
首里城をはじめいくつか沖縄の伝統的な木造建築物を見たのですが、そのどれにも主要な材木として使われていました。
慶良間諸島のうちの一つ、慶留間島に残る旧家高良家

慶良間諸島のうちの一つ、慶留間島に残る旧家高良家


 
高良家で使われているイヌマキ

高良家で使われているイヌマキ


イヌマキ

イヌマキ


槙を多用する建物は初めて見たので物珍しく(よく使われるものなのかもしれませんが)、
どこへ行っても「イヌマキは生えてるか。家の部材として今も使っているか」と聞いてまわりました。
が、あっても庭木程度。どうも今はほとんどないようです。
帰ってから調べてみると、
イヌマキは関東より西。四国、九州、沖縄に自生する常緑針葉樹で、
材は耐久性が高く、シロアリに強いことから、高温多湿の沖縄では琉球王国時代に御用木として保護され、一級の建築材として重宝されていたそう。
ただ先の戦争によって消失、さらに戦後の乱伐によりほとんどなくなってしまった上、
沖縄の林業の衰退などもあり植林が進まず、今に至ります。
(復元が進む首里城のイヌマキをはじめとした材木のほとんどは九州で切られた木)
一方で沖縄の建築や工芸、林業などの木の文化を後世に伝えていくため、最近ではイヌマキなどを植林、育成していくプロジェクトも進行しているようです。
というわけで、
とくにまとめ的なものはないのですが、イヌマキをこれほど利活用する地域があるということを知り、
いささか疑問だった沖縄の林業や材木について少し垣間見れただけでも、今回の旅はただの遊びじゃなかった!という理由付けになった気がして勝手に満足しています。
今後も各地の林業と材木事情を知るという名目で、どんどん旅行に行きたいと思います!
今度は植林プロジェクトを視察するという名目で、またあの最高に綺麗な海に行きたい。
加藤

この日記を書いた人

加藤 真己

加藤 真己

1989年生まれ。埼玉県飯能市出身。武蔵大学人文学部卒。獅子舞などの郷土芸能好き。日々の暮らしと仕事、文化が直結するような地域密着の職を求め、大好きな獅子舞を作り上げた先人たちが多くやってきた山仕事への関心が高まり、現職に。

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