2018.02.11

好きな食べ物

カキが好き。
柿でもなく、火器でもない。オイスター!二枚貝のほう。いまが旬のピークです。スーパでぷっくりと太った姿をみかけると、たまらなくなってじっと見つめてしまいます。眺めるだけでも満足する、不思議な生き物。それが牡蠣。ただし、これは真牡蠣に限った話であって、ほかに夏が旬の岩牡蠣、南半球のヨーロッパヒラガキなどもあるので、考えようによっては一年中牡蠣シーズンともいえます。幸せな時代に生まれたものです。生きててよかった。

牡蠣の養殖風景(イメージ)


元来、真面目な性格なので、これまでブログのテーマは必ず「林業にまつわる四方山話」に限ると自分に課してきました。というか、林業会社のブログなので当然ですね。誰も僕の個人的な話には興味ないだろうし。でも今回ばかりはお許しください。なぜか。それは牡蠣が好きだから。(決してネタ切れではありません)
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話を戻します。牡蠣。子供のころはブニュとした食感と独特の苦味が嫌で、あまり食べませんでした。好きになったのは大人になってから。食べ方は、できれば生で。蒸しでもいい。燻製も捨てがたい。本当はカキフライが一番なのですが、たくさん食べられないのが難点。フランスの文豪バルザックは一度に144個、鉄拳宰相ビスマルクにいたっては175個食べたという記録が残っています。もし、カキフライだったら気持ち悪くなりそうですね。
養殖には潮通しの良い、清浄な海域が適しているといいます。日本では広島、宮城、岡山が3大産地として有名です。このほか、北海道・厚岸、三重・浦村、的矢といったブランド牡蠣も。厚岸の牡蠣なんて手のひらに乗らないほどです。いづれも、これらの地域に共通して言えることは、牡蠣の母となる海の背後に豊かな森林を持つこと。森で育まれた腐葉土が分解され、プランクトンの重要な餌となり、豊潤な海をつくります。山が痩せると海も弱ります。気仙沼の畠山さんが、長年取り組まれている「森は海の恋人運動」をご存知の方も多いでしょう。海と川と森はつながっています。牡蠣養殖用イカダに細い杉丸太を利用する地域もあったりと、実は牡蠣と林業は意外と密接な関係があったりする……という、いつもの林業チックな話になりかけたあたりで、やめます。危なかった。

瀬戸内海を望む高台でなごやかに記念撮影。遠くに牡蠣イカダが見える。しかしこの後、加藤君から問題発言が。


先日、広島・廿日市に行く機会をいただきました。ある方から、倉庫に眠っている集材機(木を引っ張り出すウィンチ)を譲っていただけることになったからです。架線集材の心臓ともいえる集材機は、現在では製造を中止したメーカーが多く貴重な存在となっており、それに伴う架線搬出の運用技術の継承も林業の重要な課題に……、またそれました。この話もまた改めて。
本題に戻って、広島。説明するまでもなく水揚げ全国一、瀬戸内海で育った良質な牡蠣の宝庫です。東京から往路800キロもなんのその。後輩の加藤君と運転を代わりながら、足取り軽く向かったのはいうまでもありません。もちろん目的は牡蠣、ではなく集材機です。倉敷で加藤君が予約した宿がなぜかカップルプラン(男二人なのに)だったり、途中で季節はずれの雪が降り出すといったハプニングもありつつ、2日間かけて廿日市に無事到着。昼過ぎには任務を果たして、心地よい達成感を感じながらgoogleマップで牡蠣小屋を物色していた僕に、助手席から耳を疑う一言が。「こないだバーベキューで散々牡蠣たべたからもう僕いいっすよー」。あまりにそっけない一言に、打ちひしがれました。あの野郎、じゃなくてかわいい後輩加藤君には東名高速を走りながらずっと、僕の牡蠣に対する熱い想いを聞かせていたのに。信じられない。隣でどことなく迷惑そうな顔をしていたのは気のせいじゃなかったのか…。つい、「おまえは外で立って待っとけ!」と首まで出かけましたが、あまりにも大人気ないので、ぐっとこらえてファミレス風の店で手を打つことに。本場広島で食べた牡蠣定食は普通でした。

遊びにいった訳ではありません


ちなみに今、凝っているのは牡蠣のオイル煮。生食用は小ぶりなのが多くてつまらないので、必ず加熱用の大振りな牡蠣(冷凍でもなんでもいい)を選びます。それをざっと塩水で洗ってオリーブオイルで煮る。ただポイントが一つあって、身が縮まないように限りなく半生の状態で仕上げます。ただ、この見極めが難しく、あまり攻めすぎるとノロウィルスにやられるので真剣勝負。ギリギリのところを狙います。まるで、建物脇に生えて傾斜した大径木を伐倒するような緊張感を味わえます。今のところ無敗ですが、家族は絶対に口にしません。信頼されてないんですね。
通販の一斗缶 (殻付き)牡蠣が気になる佐田でした。
 

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