2021.10.05

第36回 ”ない部分”に思いを馳せる〜ケヤキ

一見、何だかよく分からない一品ですが、よく見るうちに、おぼろげながら見えてきました。二股に枝分かれした部分の片方を落として、角材(?)に挽いたようです。
マテリアル販売事業部・吉田に聞きました。

―これは何の木ですか?

ケヤキです。独特の香りがありますよね。

―これは根元の方?

もう少し上ですね。そこで枝分かれしたんじゃないかな。

―たしかに。ちょっと立ててみましょう。

手前下の平らになってるところから、きっと枝別れしてたんですね。こっちに行こうとしている何かがあります 笑
で、山から下ろす段階で片方の枝を落として、丸太状にしたものを角材に製材したと思うんです。

―変わったかたちですね…

そう、二股の内側になってた側が朽ちて、いま、こういうおもしろい風合いになっている。

―いい味出してます。

おそらく最初から朽ちてたんでしょうね。
この風合いは残しつつ、ぽろぽろ破片が落ちないようにもう少し整えて…

―何に使いますか?

こういう感じで、この平らなところにコーヒー置くとか。
コーヒーを飲みながら、朽ちた部分を愛でる…

―下に脚を付けてもいいかもしれない。

それもいいですね。


■素材データ
サイズ:長さ:900mm、幅:250mm、高さ:250mm
状態:樹皮剥き(一部樹皮あり)、乾燥
樹種:ケヤキ
重量:20kg

(取材後記)
枝分かれ部分(推定)ということもあり、木目もけっこう面白いんです。元の木の姿を想像させます(木田)。

この日記を書いた人

木田 正人

木田 正人

1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。

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