2022.05.24

第65回 ”環水平アーク”なアカメガシワの木

白い下地に細い線模様が魅力なアカメガシワ。しかも、4m、ほぼ直材です。
マテリアル販売事業部・吉田に聞きました。

―これは何の木ですか?

これはアカメガシワですね。

―山ではまだ小さいのを、下草刈りのときなんかに見かけますが、丸太では初めてです。

ですよね。扱うのが初めての材です。

―どこから来た木ですか?

八王子の…、前にキリの角材をご紹介しましたが、それと同じところです。

―樹皮が綺麗ですね。

灰色に薄い緑っぽい色の線模様…

―洗練されてる感じ。そういえば、こういうデザインってありますよね?

ありますね。自然からヒントをもらうことも多いのかなと思います。

―象の皮膚にも見えます。

たしかに。このシワシワ…。よく見ると、象の鼻みたい 笑

―けっこう真っ直ぐなんですね。

そうなんです。広葉樹は枝分かれしたりが多いんですけど…

―珍しい。

長さ4mあるんですが、ほぼ直材ですね。上へ上へ伸びてます。横に広がらないのは、周りに木があって、横に伸びれなかったからかもしれませんね。

―これだけ真っ直ぐだと…

床柱とか良さそうですね。

―使うときはやはり樹皮は剥くんでしょうか?

そうなるかと思うんですが、でも、この樹皮、この模様、活かしたいですね。

↑ 中央がアカメガシワ。周囲にはキリなどが立ち並ぶ

(現場で伐採し、檜原へ運んできた林業事業部・加藤によると…)

―この木、何が魅力的だったんですか?

真っ直ぐなことですね。何かしらに使えるかなと…。

―どういうところに生えてたんですか?

ほかの木に囲まれてました。

―それでですかね、あまり好きに枝や幹を伸ばせず、真っ直ぐ育った…?

そうかもしれないですね。
ともかく、広葉樹はあまり種類を扱ってないので、いろんな木があると面白いと思って運んできました。

■素材データ
サイズ:全長:4000mm、直径:200mm(末)
状態:樹皮付き、未乾燥
樹種:アカメガシワ
伐採時期:2022年2月
重量:100kg(乾燥した場合)

(取材後記)
真っ直ぐといえば、この虹色の帯を見てください。
取材中、気づいたら南の空に出ていたもので、環水平アークという気象現象。日本では年に数回観測できるかというレアなものだそうです。このアカメガシワに似てないですか?(木田)。

この日記を書いた人

木田 正人

木田 正人

1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。

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