2022.05.10
第63回 ”柔らかな”芯の赤み〜プラタナスの角材
以前、紹介したプラタナスの丸太が製材され角材に。樹皮に隠れていた木肌が姿を現すと…
マテリアル販売事業部・吉田に聞きました。
―ついに製材されました。
プラタナスは取り扱い自体初めてなので、挽いた材を見るのはもちろん初めて。
―どうですか?
芯材の赤っぽいのがいいですね。
―確かに良い色。味わいあります。
側に近い方の白と相まって…
―木目の流れもいいですね。
そうなんです。
真っ直ぐじゃなく、自然に行きたい方向に沿って動いてますね。
―触ると冷んやりします。
水分が残ってるんですね。そのせいか、かなり重いです。
―何kgくらいあるんでしょう?
700kgとか800kg。もしかしたら1tあるかも。
―それはすごい!
角材のほかに、小さな輪切りにしたものもあるんですが、ほかの広葉樹に比べてもかなり重いですよ。
―製材した面のザラザラが目立ちますね…
そうなんですよ。ザラザラというか、繊維が毛羽立ってるんですね。
―なんでですかね?
なんででしょう 笑
(ということで、製材所で今回挽いたプラタナスの特徴を諸々聞いてみることに)
(製材所にやってきました)
―持ち込まれたのを見て、どう思いました?
すごいの持ってきたねーと 笑
―プラタナスは初めてですか?
初めて。
―製材してどんな感じでした?
初めはケヤキみたいに固いのかなって思ったけど、柔らかでした。
―表面がザラザラ毛羽立ってるのはどうしてなんでしょう?
柔らかいから、製材のノコで削れてそうなったんじゃないかな。
―そういうことなんですね。
―すごく重くなかったですか?
重いね。けっこう水を含んでる。
―ですよね。触ると冷たいです。
いつ伐ったの?
―1月です。
1月だと水を上げない時期だよね。保水力が高いんだね。
―なるほど。ところで、広葉樹には、製材したその場で反る木もある、とういう話を聞いたことあります。どうでした?
この木はそういう感じではなかったかな…。
何かにうまく使えると面白いね。テレビの台とかいいんじゃない。
■素材データ
サイズ:全長:3200mm、奥行き:460mm、高さ:490mm
状態:耳付き角材、未乾燥
樹種:プラタナス
伐採時期:2022年1月
重量:700kg〜800kg(乾燥すると半分くらいに)
(取材後記)
この木、実はかすかに抹茶の匂いがするんです。そのせいなのか、そばにあると落ち着きます。
プラタナスの奥に、これも以前取り上げたハゼノキ(シシ神さま)が保管されてるのですが、なんと芽吹いてました。自然の力はすごい(木田)。
ハゼノキの回はこちら
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。