まるごとニュースレター

2022/06/07

第67回 亀の甲羅? プラタナスを”全部”活かす

丸太から四角い板や柱を取る製材。その工程で発生し、通常の流通からは外されてしまう“端っこ”の部分。山側の用語で“バタ”と呼びます。そのバタを活かして…
マテリアル販売事業部・吉田に聞きました。

―これはどういうものですか?

プラタナスですね。これまで丸太、角材の順に紹介してますが、その角材を取ったときの、側、端っこも使って板を取ったんです。“バタ”といわれてる部分ですね。

―バタは普通、どうなるんですか?

不要な部分として処分ですよね。捨てるわけではありませんが、針葉樹だと薪とかチップとして燃やされるものになることがほとんどです。

―そのバタを活かそうと…

丸太を四角に取る(切る)のが製材なんですよ。普通に丸太から柱材取ると、頑張っても歩留まりが6割くらいなんですね。バタが4割も出てしまう。活用を考えないと…

―バタは今まで使ってないですか?

ワークショップの素材用に一度出したことがありますが、ほかには…
壁材で、いろんなサイズのバタをタイルのように当て込む使い方もあるようですが、実際はなかなかそういう話もないですし…
木を1本まるごと使うことを考える上で、バタは非常に重要なポイントですよ。

―で、プラタナスですが…

前の回でも話してますが、プラタナスは迷彩柄の樹皮がすごく印象的じゃないですか。板にしたことで、樹皮と板目の部分とのコントラスが非常におもしろくなってます。
何か新しい使い方があるんじゃないかと思って…

―なるほど…。その樹皮は剥がれないですか?

初めて扱うので分からないところもあるんですが、ちょっと剥がれそうな雰囲気はないですよね。
いまのところ、樹皮自体が取れるってのないです。
ひび割れが入るのは多少見受けられたので、様子見ながらやっていきたいです。

―形状もおもしろいですね。

広葉樹のバタは針葉樹に比べて別物ですね。形にうねりがあります。木目もそうなんですが、こぶみたいな部分もあったり。こう、亀の甲羅かな、みたいな 笑

ー色は変わって行きすか?

直射日光が当たったり、乾燥機に入れたものは変色します。樹皮の緑色のトーンも茶色っぽく変わって行ったり…

―けっこう重いですね。

見た目より重量感がありますよ。

■素材データ
サイズ:全長:300mm〜1600mm
状態:未乾燥
樹種:プラタナス
伐採時期:2022年1月
重量:5kg(全長900mm×幅300mm×厚み100mm)

(取材後記)
本文でも触れてますが、丸太→角材→今回の“バタ”と、プラタナスは3回目の紹介です。ここまでくると、どう使われるのかもぜひ見て見たいものです(木田)。

1回目:「淡い迷彩が目を引くプラタナスの木」

2回目:「”柔らかな”芯の赤み〜プラタナスの角材」