子どもの好木心「発見・発掘」プロジェクト
MISSION:素材へのワクワクを掘り起こせ!
子どもが夢中になって、「わーっ!」と歓声を上げ、元気になる時、そこには必ず「発見」がある。
それまで気づかなかったものを見つけると、子どもは嬉しい。

発見するのは、たとえば、おもちゃの裏側に付いていた木の年輪だったり、枝についた節だったり、虫食いの穴だったり…。そんな素材の個性たちに、子どもたちは自分だけの“ワクワク・ドキドキ”を見つける。

  このプロジェクトを通して、子どもの元気の素となるワクワク・ドキドキが「発見」できるおもちゃを発掘したい。
そして、子どもたちの「発見」が、将来、地域の森に目を向ける、きっかけになればと思う。

あつまれ、好木心!
 

子どもたちの好奇心が、森と人との関係をつないでいく

子どもがきっかけで、はじめて知ったこと、はじめて行ったところ、意外に多いのではないだろうか?好奇心旺盛で独自な感性を持つ子どもたちの視点には、大人もハッとさせられる。

そんな子どもたちの目に、
森の素材はどんな風に映るんだろう?
どんな関心を持ってくれるんだろう?

興味を持てば、きっと好きになる。
“好奇心”から”好木心”へ。

そして好きになれば、親や、先生、身近な人に伝えてくれる。森と人の関係も、子どもたちを中心に広がっていく。
 

炭焼きの村から、おもちゃの村へ

舞台は村の総面積の93%が森林の檜原村。広葉樹を使った炭焼きが盛んに行われ、半分くらいの家が炭を焼いていたとも言われている。かつては檜原村でも、森と人の関係は非常に深かったのだ。

しかし、エネルギーの主流が石油や電気へと変わり、檜原村の炭焼きも衰退していく。山の中にあった、炭焼きの釜も、今ではほとんど残っていない。

時代の流れと共に、一度は距離が離れてしまった檜原村の森と人の関係性。
そんな檜原村は現在、”おもちゃ”を通して、その関係性を再度つなぎなおそうと「檜原村トイビレッジ構想」を掲げている。

多世代が交流できる”おもちゃ”を中心に、観光と産業、森と人をつなぐ。檜原村がつくる、新たな森との関係性。
 

林業会社だから伝えられる森の視点

東京チェンソーズでは、林業の課題と向き合い、補助金のみに頼らない林業を実現するために「1本まるごと木を使う」取り組みを実践している。

これまで林業では使われてこなかった森の素材、例えば曲がった枝、節が抜けた穴、大きなものでは根っこなど。個性豊かで、それゆえ規格化することができないものが多い。反面、だからこそ、面白さもある。

今回のプロジェクトでは、多様な視点で森の素材を見てもらうことで、自分たちでも気がつかなかった、新たな魅力を発見していきたい。そして、その魅力をたくさんの人と共有していきたい。
 
 

多様な視点を持つ人たちと森の課題に挑戦する

森の課題は複雑で、とても1つの企業だけでは解決していけない。
だからこそ僕たちは、多くの人に森の問題を知ってもらい、そして関わってもらえる関係性をつくっていきたい。

1つの問題に対しても、多様な視点を取り入れ、数多くのアプローチで挑戦した方がきっと問題は解決に向かっていく。

今回一緒に取り組んでくれるのは、デザインを学ぶ、桜美林大学ビジュアル・アーツ専修の3年生たち。普段から森にいる僕たちとは、きっと違った感覚で森のことを見てくれるだろう。

子どもたちの興味・関心を学生たちと「発見・発掘」し、
おもちゃにしてみるプロジェクト。

将来的に、多様な視点を持つ人が森の背景を知り、いろんな形で森に関わってくれると、もっと森は良くなるかもしれない。
プロジェクトスケジュール

運営メンバー紹介

高橋和馬・東京チェンソーズ
新潟県越後湯沢町出身。北海道大学生命科学院卒。大手食品メーカーで11年勤務した後、持続可能な世界の実現、環境問題への取り組みがしたいという想いから2021年に東京都檜原村の東京チェンソーズに転職。現在は森の素材を使った「自社商品開発」、森と街をつなぐ「森デリバリー事業」に携わる。焚き火と、森の中でハンモックに揺られる事がとにかく好き。
林秀紀・桜美林大学
東京造形大学造形学部卒業後、三菱電機デザイン研究所、サムスン電子にて家電製品やスマートフォンのデザインを行う。岡山県立大学デザイン学部デザイン工学科助教授を経て、2020年より桜美林大学芸術文化学群准教授に就任。「子どものためのデザイン」や「サステナブルデザイン」を主に研究し、おもちゃコンサルタントとしても活動。キッズデザイン賞、グッドデザイン賞など受賞も多数。
鹿毛紗記・東京チェンソーズ
東京都青梅市出身。東京農工大学大学院を卒業後、大手ハウスメーカーで勤務。人事制度企画などに携わるが、子育てをしながら働く中で限られた時間の使い方を考えて退職。縁あって、2020年から檜原村でずっとやりたかった森に関わる仕事に就く。現在は森と街の新しい関係づくりを目指して木材販売や森に関する学びの場づくりを行なっている。