育休から戻った“きこり”【チェンソーズ people 5】

2014年に入社の伏見直之。当時25歳。入社以降、育林・造林の現場を中心に、「6歳になったら机を作ろう!」のきこり隊長、「山開き」の森の案内人など、各種イベントにもよく顔を出してきたので、知ってる〜という方も多いかもしれません。

プロフィール代わりに、当時の新人ブログ「チェンソーズon the hill」に書いていた自己紹介を転載します。

お初お目にかかります、神戸からやって来た新人の伏見と申します。25歳独身です。これから一年間同期の仲間とブログを書かせていただくことになりました。
大塚さんから一転、おとこくさ・・・男気溢れるブログになるかとは存じますが、よろしくお願い致しますm(_ _)m
初回なのでざっくりと自己紹介させていいただきます。
学生時代ワンゲル(≒登山部)で山ざんまい
→卒業後、登山用品店で働く
→自然の中で働けて社会の役に立つ仕事がしたい=これは林業でしょ!
→大阪府の林業就業支援講習*に参加
→東京チェンソーズに採用していただく
という流れで今に至ります。

(「チェンソーズon the hill」2014年7月4日)


本編に入る前に余談ですが、新人ブログ「チェンソーズ on the hill」について少し…
こちらはチェンソーズ初の新人採用となった2010年から2019年のシーズン6まで続いた新人限定(1年間)のブログです。延べ19人がルーキーならではの目線で、人生初となる林業の現場や東京の”田舎”での暮らしについてなど書いています。
ご興味ある方は、お時間あるときにでもどうぞ!


本編再開!

それから11年――

8年前に結婚し、昨年(2024年)5月に第一子が誕生――ちょうどこの日、取得していた育休から復帰したタイミングで、いろいろとお話を聞いてみました。

 

育休中の暮らし

伏見:育休中はオムツを替えたり、ご飯をあげたり、主に子供の世話です。普段の仕事のように1日8時間何かするとか、1時間に1回何かしなきゃいけないとか、そういうことはないです。

オムツだったら1日に10回替える、ミルクも最初の頃は1日10回とか、そういうのが細々あって、その間は家の掃除をしたり、家事をしたり…トータルで何時間もやってる訳ではないですが、飛び飛びにやることがいろいろ現れる感じですね。

と、育休中の生活を淡々と説明。

――第一子ということもあり、大変だったのでは…?

伏見:子どもの世話は夜中だろうと関係ないです。人間の生活スタイルがまだ習得されてないので、24時間、ずっと均一な動きをします。ミルクは3時間ごと、オムツも2〜3時間に1回のように…

それが3か月くらい経つと、夜寝るリズムが出てきて、夜中起きることはありますが、その回数も減ってきて、徐々に人の生活になっていく感じです…

体内時計がちゃんと身につくのが生後3ヶ月以降なので、そうなるとなんとなく昼・夜を考慮したサイクルで動いてくれますね。

――育児についてはどういう方法で勉強したんですか?

伏見:YouTubeで知ることが多かったですね。お風呂入れたり、ご飯はこうやる、寝かせるにはこうした方がいい、というのは、育児書もあって読みますが、実践的なのは助産師さんやお医者さんが配信してるYouTube。そのチャンネルを見て、分かりやすいやつをやってます。

――実は昨年春、弊社はかつてないほどのベビーブームを迎えていました。伏見家の他に、2人の子どもが誕生。育休が取りづらいというようなことはなかったですか?

伏見:それはないですね。あらかじめ言っておけば仕事量を調整することもできるので、「休まないで」みたいなことはなかったです。

僕は3ヶ月くらい前から何となく話していて、正式に申請したのは1ヶ月前です。

――育休は子どもの誕生当日からまず初めに3ヶ月取得。その6ヶ月後、再び3ヶ月と2度に分けて取得しました。1回目の育休の後、仕事にはすんなり戻れたのでしょうか?

伏見:身体が順応するまで疲れますが、それでもしばらくすれば…。2週間くらいあれば以前に戻ります。やはり体重が増えました。5kgくらい増えたかも。赤ちゃんと同じペースです(笑)

家にいるんで何か食べようと思えば食べちゃうんですよ。現場だと、何か食べるのは昼くらいじゃないですか。

――弊社ではこの秋にも、育休を取得予定のスタッフがいます。後輩に向けてアドバイスがあれば?

伏見:子どもが3ヶ月になるくらいまでは睡眠が不規則になるんで、育休が終わって働き出したら、自分は静かな場所で眠れるよう、可能なら部屋を分けるとかできるといいですね。それか3ヶ月育休を取るとか…。育休中なら赤ちゃんが寝てるときは自分も休めるので。睡眠不足が蓄積するとしんどいですから。

――育休の良かった点は?

伏見:1歳までが赤ちゃんの変化が一番大きくて劇的に変化していくんですよ。毎日、その過程を見ることができるのはなかなか貴重な経験だと思います。

それに育児に関して、これはお父さんにはできないというような事が生じないのがいいですね。育児のスキルは夫婦で一緒くらいなので、どちらかに預けてどちらかが出かけるとかも問題なくできるのはいいですね。

下刈りから現場へ復帰

現場へは翌日復帰の予定。作業は下刈りだと言います。

伏見:時期的にそうだと分かっていたので、あらかじめランニングしないと、と思いつつ、ここまできてしまいました…(笑)

とのことです。その下刈りが一段落してからは、時坂の社有林でこの冬から始まる搬出間伐に備え、作業道を伸ばす予定だそうです。

社有林の作業道はここ数年、伏見が中心になって作設を続けています。

伏見:作業道づくりは景色が変わるのがいいですよね。鬱蒼としてた場所が人が活動できる場所になるんです。

――社有林はいろんな人が来ますが、そういう人に伝えたいことは?

伏見:どういう状態の山がいい状態なのか、そのためにはどうしたらいいのか、そしてそれがその人たちの生活とどう関係してるのかみたいなことですね。山は他人事じゃないということを伝えたいですね。

例えば、山が整備されてないと水が蓄えられないので、激流になりやすいなど、そういった話で山を身近に感じてほしいです。

最後に現場で働くことの醍醐味を聞いてみました。

伏見:環境を良くするための実働ができるところですかね。計画したり、指示を出したりというのではなく、実際に自分が動くことで山の状況が良くなる。それがやりがいの一番の根幹、醍醐味を感じるところです。

↑ 今年1月、社有林での作業の様子を読売新聞に取材していただきました。大きな写真でチェンソーを構えているのが伏見です。よろしかったらぜひ!

また、興味のある方は過去ブログもご参照ください。

ご興味ある方は過去ブログもご参照ください

写真:キッチンミノル(1枚目)