第142回 重厚感いっぱいイチョウの板(小ネタもいっぱい)
6月に開催した「まるごと山開きvol.3」でお披露目した、苔に覆われたでっかいイチョウをついに製材。重厚感いっぱいな分厚い板に姿を変えて帰ってきました。販売事業部・吉田に聞きます。

―これは何の木ですか?
これ、イチョウですよ。今年の〈山開き〉でお見せした、苔むしたイチョウ…
―そうですよね、苔で分かります。気になった方が多かったようですね。
人気でしたね。苔に新たな生態系が生まれそうなど、面白い感想もいただきました。
―そもそもどこに生えていた木なんですか?
奥多摩町にあるお寺に生えていた木なんですよ。何か事情があったんでしょうが、伐ることになって、ヨキ社(※)が伐採したんです。おそらく、クレーンを入れて吊り上げて伐ったんだと思います。
※ヨキ社:弊社から独立した佐田くんが立ち上げた樹木管理を提供する会社

―どういう経緯で入手したんですか?
佐田くんから連絡をもらって、かなり素性がいい、つまり真っ直ぐなイチョウを伐ったけどいる? と。
―はい。
電話で話しを聞いただけでしたが、木目も細かいようなので、さすがに全部いただくのはちょっと畏れ多いなと思い、元玉は市場に出してもらうことにして2番玉を購入しました。
―なるほど、それを今回、製材したということですね?
そうです。
ところで、イチョウといえば何ですか?
―銀杏ですか?
銀杏もそうですが(笑)、材としてのイチョウといえば?
―この前、幼稚園のワークショップで将棋盤を作りました。
将棋盤にも適してると言いますが…(笑)やはり、まな板ですよね。

―確かに。
抗菌作用があることから、イチョウといえば昔からまな板なんですが、これだけ真っ直ぐで目が詰まってるとなると、どう使おうか、どう挽こうかと迷ってしまって…
―まな板、何枚できるのかと…
まな板、そんなにいらないしと(笑)、正直分からなかったんです。
ということもあって、仕入れた3月から、半年以上、丸太のまま保管していて、でもそろそろ挽かないと、と思い、いつもお世話になってる山梨の製材所へ持って行って製材していただいという次第です。

―なるほど。
どう挽くか製材所の社長に相談したところ、最近はカウンター材に需要があるから、それ用がいいのではとお話があって。
―はい…
幅が80cm弱で、一枚板のテーブル天板には少し小さいので、それなら特注家具にも使えるなと思いました。
―ずいぶん分厚くて重そうですね。
確かに、絶対持てないです(笑)。厚みはまちまちで、80mm、75mmとか、60mm、50mm。全部で10枚あります。

―イチョウといえばお寺にあるイメージ。
ですね、結構でかいのがあったりしますよね。
イチョウは切った丸太からも芽が出ると言われるくらい生命力が旺盛な木なので、そういうことも関係してるかもしれませんね。長寿だし。樹齢1000年以上とされる木もあります。
―なるほど、そういうことですかね。
あと、防火。火に強い特徴もあります。お寺を火災から守るために植えられたとも言われてますね。

■素材データ
サイズ:全長:2700mm、幅:800mm前後、厚み:50mm〜80mm
樹種:イチョウ
状態:未乾燥
伐採時期:2025年3月
(編集後記)
本文でも触れていますが、イチョウといえば銀杏。チェンソーズ創業前、檜原村にある森林組合にいたのですが、その頃のことを思い出しました。4〜5人の班で仕事をしていたのですが、10月頃、ちょっと寒いな〜という日は、林道脇で小さな焚き火を起こし、そこで銀杏を煎ったのをつまんでから山に入ったりしてました…。その車にはチェンソーなどと一緒にフライパンも積まれていたのです(木田)。
ちなみに製材前はこんな感じでした↓
