第147回 “おぼろ桜”!?

新年1回目にご紹介するのがこちら、シュリザクラという木です。漢字で書くと朱里桜。芯の部分が赤く、周囲の辺材部分が白いという、まさに紅白、おめでたい!ということで収録を始めたのですが… 。販売事業部・吉田に聞きました。

―これがシュリザクラですね?

 

そうです。

 

―あまり聞かない名前です…

 

僕も初めて聞きました。

 

―そうなんですね。

 

原木市場に「サクラ」と表示されて並んでいるのを見たんですよ。サクラと言ったら、この辺ではヤマザクラが多いんですが、樹皮が明らかに違ったので何だろうと思ってたんです。そうしたら、これを伐採した方がちょうど来ていて、「シュリザクラだよ」と教えてくれました。

 

―なるほど。

 

初めて聞いた木で珍しいし、直径が40cmあったのでいろいろ使えるかなと思い買いました。

で、その後、ちょっと調べてみたんですが、シュリザクラは芯が赤っぽく周辺が白っぽいのが特徴で、家具や楽器の材料に使われるとのことで、流通も少ないようです。

 

―そうなんですね。赤っぽいということですが、これはやや色が薄い…(笑)

 

確かに(笑)。赤はおめでたいな色ということで、実は正月ネタにちょうどいいと思っていたんです。辺材が白いので1枚で紅白を表すと…

 

―そう思っていたのに…(笑)

 

…はい、個体差もあると思いますし、それに製材して2ヶ月くらい経ってるので、空気に触れるて、いくらか色が落ちるんですよね。でも、削るとまた色が出てきますよ。

―思ったほど紅白ではなかったということですが、綺麗な色味ですよね。

 

サクラの色ですよね。

 

―木目も淡い感じで…

 

そうなんです、柔らかいんですよね。そんなに主張してこない、緩やかな線模様なんです。

 

―ポワ〜ンとしてますね。節もとろけていきそう。何か“おぼろ”ですね。

 

おぼろ、と言うと?

 

―おぼろ月とかよく言いますが、霞んで月がぼやんと見える感じ。おぼろ豆腐というのもありますね。何か曖昧で、周りと混ざり合う、溶け合う感じです。

なるほど。年輪と年輪の間に細かい線模様があるのも、おぼろかもしれないですね。で、その部分、触ると少しですがボコボコしてるんですよ。

 

―そうなんですね。

 

ボコボコしてるのは木が動いてるからなんですよ。

 

―動いてる?

 

はい、収縮してるんですね。その分、反るということになるんですが。

 

―なるほど。

 

ただ、広葉樹の中では反る程度はそれほどでもないようで、狂いの少ない材と言われてます。

―そうなんですね。ちなみに製材はいつごろですか?

 

10月です。長さ2100mm、厚み50mmで挽いてもらいました。

 

―何枚あるんですか?

 

同じ厚みの板は4枚ですね。あと薄いのが何枚かあります。

 

―そのサイズだとどのような使い道がありそうですか?

 

カウンターにするにはちょっと短いですが、はぎ合わせれば天板が作れるのでテーブルにはちょうどいいかもしれません。

 

―テーブル、いいですね。

厚み50mmですが、反りがそれほどないので、仕上がり40mmぐらいでいけるかなと思います。

―ちなみにオイル仕上げしたら赤くなりますか?

 

なりますね。

 

―ではそれを見据えて…

 

辺材の白とはぎ合わせると、まさに紅白!

 

―おぉ〜

 

紅白の天板になると!

 

―そういうテーブルでお正月を迎えたいですね!

 

―確かにいいですね。

 

―正月だけ使うテーブル。

 

普段、どこに置いとくんだ問題ありますけど…(笑)

 

―檜原だと使う機会多そうですね、お祭りとか、おめでたい席で。

 

あ、それいいですね。このテーブルを囲んでみんなでご飯を食べる(笑)

 


■素材データ

サイズ:全長:2100mm、幅:300mm〜400mm、厚み:50mm

樹種:シュリザクラ

状態:未乾燥

 

(編集後記)

お正月といえば、今週末(17日)は「山の神」。山で働く人のお正月です。午前中は社有林と神社で1年の安全を祈願し、お昼から新年会(宴会)。そんな時、紅白のテーブルがあったら一段と盛り上がりそうです。今年もどうぞよろしくお願いします(木田)