第137回 “クマ剥ぎ”丸太プラス1
ドカ〜ンと横たわるスギ丸太2本。直径70cm前後という大きさ、いびつな形状で存在感抜群です。販売事業部・吉田に聞きました。
―これは何の木ですか?
これ、2本ともスギですよ。
―でかいですね。でも、よく見かける丸太とはちょっと違うような…
大きさもそうだし、形もいびつですよね。
―確かに。どういう経緯でここにあるんですか?
原木市場で買ってきたんですよ。
―原木市場ではこういう材も扱ってるんですか?
はい、基本的には3m、4mの建築材が多く出てるんですが、こういうのもありますね。
―そうなんですか…
直径30センチを超えるような材でも根元が少し曲がってたり、傷があった場合、市場での価格が下がってしまうんです。板を取ろうと思えば取れたとしても…
なので、根元の2mは切り落として、そこだけで出品したりしてるんです。
―なるほど。
で、その切った先で大きい綺麗な丸太を取るんですね。
―なるほど…
ちなみにこれはクマ剥ぎ(※)にあった材です。この側面はもう腐ってそのままだと使えないんですけど、内側は問題ないので板が取れるんですね。
※クマ剥:クマが立木の樹皮を剥ぐ“クマ剥ぎ”。原因は諸説ありますが、クマが樹皮の下の甘皮を舐めているという説が有力です。大径木が狙われる傾向にあるようです
―切り落とす2mという長さに理由はあるんですか? 例えば、根本から1mだけが傷だったとしたら、そこから4mなり3mを取った方が効率いい感じがしますが…?
天板や造作で使うとなった場合、2mあると用途が広がるんですよ。あまり短いと製材もしづらいし、使いづらくもなってしまうんです。
この木は直径72cmあるので、それなりに大きい天板が取れるんじゃないですかね。輪切りにしても面白いかも。
こちらはちょっと特徴的で、根元すぐのところから二股になってたんです。中央に樹皮が
見えてますね。
―確かに、すごいですね。
二股の苗木だったのかもしれないですね。
―そういうことですか。
でもいつの間にか結合して1本に。
―面白いですね、何があったんでしょう?
何かがあったんでしょうね、でも、そればっかりはちょっと正直分からないです(笑)
―この二股に分かれる木目が見える断面で割ると面白いですね。
そうですね、最初は2本になっていたと思われるのに、時間と共にくっついて…。断面で見ると確かに面白いですね。
―この2本は同じ日に買ったんですか?
別の日です。原木市場に行くと分かりますが、2mの丸太は結構並んでるんですよ。傷付いたり曲がってるので歩留まりは悪いですが、比較的安価で、節のない板が取れたりするものもあるので、たまに買ってくるんです。どう、活かせるか楽しみですね。
■素材データ
サイズ:(左)全長2000mm、直径:640mm、(右)全長:2000mm、直径:720mm
樹種:スギ
状態:未乾燥
伐採時期:不明
(編集後記)
今回、“クマ剥ぎ”被害木も紹介していますが、前に間伐作業で行った山がクマ剥ぎだらけでした。ある朝現場へ行くと、置いていったチェンソー等が荒らされていて…。よく見ると、水が滴る真新しいクマ剥ぎがそこらに何本も。お腹、空いてたんですね(木田)。