第146回 “200本”まるごと活かしました!!

住宅に隣接したヒノキ林で伐採・搬出の仕事を行いました。幹はもちろん、枝から葉っぱ、根っこまで全部出して活用、まさに「1本まるごと販売」ができました!

販売事業部・吉田に話を聞きました。

―今回の現場は、林業事業部の弊社スタッフのご友人がお持ちになってるヒノキ林でしたね。

 

お父様が植えられたということでしたが、亡くなられたという事情もあって、一旦整理したいので伐採してほしいと依頼がありました。

樹齢が30年くらいなので建築材として使うにはまだ細いんですが、だからと言って伐採した後、敷地に貯めてしまうのも厳しいのでどうにか出して活かせないかと考えました。

 

―それでまず下見に行ったんですね。

 

そうです。確かに木は細いんですが、〈1本まるごと販売〉というコンセプトの中で、何とか活かせる方法もありそうだなと…

―なるほど。

 

全部で200本くらい植えられてたんですが、根元から3mを3玉、合わせて9mは原木市場、それ以外は弊社で使うと方針を決めて作業を進めて行いました。

 

―細い材も市場で受け入れてくれるんですか?

 

もちろん。細丸太を専門に加工する製材業者がいて買っていくんですよ。それなりに値段が付きますよ。

 

―そうなんですね。

 

まとまった量を一山に並べると高値がつきやすいんですよ。

 

―なるほど。

―社内で使う分は、具体的にはどう活用したんですか?

 

幹の細い部分はコースターになりますし、ちょうどクリスマス装飾の案件があったので、その材料にも使えました。

 

―なるほど…。葉っぱは何に使うんですか?

 

ほぼアロマオイルですね。あと、一部、イベントの装飾に使用しました。

―根っこは?

 

美術館(※)でも置いていただいている「ひっつきむし」というおもちゃがあるんですが、

主にそれ用です。

 

※美術館:檜原森のおもちゃ美術館

 

―なるほど…

実は現場から「ひっつきむし」のサイズ感が分かりにくいという話があり、販売担当者が現場へ行って説明して、切る位置を決めた、ということもありました。―行きやすい場所だったのも良かったですね。

そうなんですよ。あらかじめ仕様書は送ってたんですがそれで終わりにしないで、「今現場にいるなら行きます」と言って出かけたそうです。その方が早いし、確実ですから。

―枝は?

 

もともと若い木だったので枝も細すぎではあったんですが、それでも2cm以上の太さのある部分は樹皮剥き枝として、それより細いところは肥料として使っていただきました。

 

―全部活かしましたね!

 

そうなんです。それに加え、地域のつながりという関係性の中での仕事だったこともポイントですね。

 

―確かに。弊社スタッフの高校・大学の同級生ということでした。

 

はい…

 

ーもし他の会社でこういう現場があった場合、どうだったんでしょう?

 

断言はできないですが、原木市場へは出したと思いますが、それ以外の枝葉などは廃棄物として処理されたんじゃないですかね。

 

ーなるほど。

 

東京チェンソーズという会社を再確認した感じです。

 


■素材データ

樹種:ヒノキ

樹齢:約30年

サイズ(平均):高さ:15m、直径20cm

 

(編集後記)

今年最後のニュースレターは弊社のコンセプト「1本まるごと販売」を体現化した現場のお話でした。

本文で触れた細丸太を活かしたクリスマス装飾は、昭島市のモリパークアウトドアヴィレッジで25日まで展示中です。お近くの方、ぜひ寄ってみてください。

最後になりますが、本年もこのゆる~いニュースレターにお付き合いくださり、ありがとうございました。

来年もどうぞよろしくお願いします(木田)