2016.03.09
あたたかい冬
どうも、春になろうという時にこの話題はどうなんだろう。果たして山の「いま」なのか。自問自答の伏見です。
今年の冬は暖かい日が多かったですよねぇ。雪も少なかったし。
お陰でスキーや雪山から足が遠のくシーズンでした。
とは言っても冬は冬。檜原村は軽く氷点下を下回り、滝も凍りつくような日ももちろんある訳で。
そんな日は、焚火で暖をとってなんとか寒さを耐えしのぐ樵たちであります。
体を動かす作業なら良いんです。しかし重機のオペレーション(操作)をずっとしてると体の芯から冷えてきます。
もし雨や雪なんかで枝葉が湿って焚き火ができないとなると、怪人・赤頭巾さんが現れます。
ピタッとした赤いフードをかぶって震えながら「もうやだよ・・・もう・・・」とつぶやくのが赤頭巾さんです。
焚火の偉大さがわかろうというものです。
ちなみに焚き火は人家から遠く離れた私有地において、延焼の危険性の無い作業道上で延焼の危険性の無い方法と消火方法を確保し、農林漁業を営む上のやむを得ない理由で軽微に行っていますので悪しからず。
いやぁ焚き火って本当に良いですよね。暖かいし、調理もできるし。
会う人会う人に「今も人参かじってんの?」みたいな、世にも珍しい馬人間のような扱いを受けている私ですが、流石に冬場は人参かじってられません。
生野菜は体を冷やしますからね。冬場は人参の代わりに焼き芋をかじってました。しかも安納芋の(* ̄ー ̄*)(やからどないやねん)
スウェディッシュトーチの上で焼いたり(下側が焦げて炭になりました)
焚き火台の下に埋めて蒸し焼きにしたり(下側が生焼けになりました)
焼き芋作るの難しっ!Σ( ̄Д ̄;)
あ。スウェディッシュトーチというのは丸太に十字の切れ込みを入れて上から燃やすことで、ロウソクみたいに燃えてくれるという、恐らくスウェーデン発祥の、そういうあれです。
初めはどう点火したらいいのかわからずに先輩と「もうやめだやめだ!使えねぇ!」認定していましたが、これの上で小さな焚き火をするとそのうち丸太自体が燃えるという世紀の大発見をし、先輩と喜びを分かち合いました。
ストーブとしてもコンロとしても優秀です。一つ1000円位で売れるんじゃないかと密かに画策しています( ´,_ゝ`)
他にも時計型ストーブでお餅を焼いてみたり
次はあれだろ、あれを焼くんだろ!という内なる導きに従って、肉塊を焼いて食べました(前日の夜からニンニクやハーブをまぶして寝かせてある。この頃には完全に情熱の矛先を見失っている。)
先輩方が羨望(侮蔑?)の眼差しで「ふ、ふんっ!昼休みの間にそんな肉塊に火が通るものか!」「そ、そうだそうだ!」というのを尻目に
シュラスコスタイルでいただく。
あ。シュラスコというのはバーベキューの一種で、見た目の恐ろしさから修羅嗜好と名付けられた調理法が訛ったものだそうです。嘘です。
そろそろ「貴様は職場に何をしに来ているのだ」という声が聞こえてきたのでこの位にしておきます。
ていうか何の話でしたっけ?
そうそう。まぁ、要するに直火で焼いた肉は香ばしくておいしいって事ですよね。違いますね。
こういう季節の移り変わりを五感で、全身で感じられるのも林業の良さっていうかね。夏は氷水を背負って木陰にもぐり込んでいたのが、冬にはみんなで火を囲んで震えている。
暑いのも寒いのも大変だっていう見方は勿論有りますけどね。自然の変化に対して自然な反応をする自分はまだ自然の一部なんだなぁって感じられて、こう、生きている実感とでも言いますか。
まぁ、そういったところの幸せを感じられるのも、この仕事ならではということでございます。
なんかそれらしい事を言って締めようと必死に頑張った ふしみ
この日記を書いた人
伏見 直之
伏見 直之
1989年生まれ。愛知県出身。関西学院大学文学部卒。大学時代はワンダーフォーゲル部主将。アウトドアメーカーに1年勤務後、持続可能な社会の実現に貢献したいという想いで転職。