2025/05/20
第133回 まるで欄間? 妖艶な木目のスギ板
お隣・あきる野市で伐採されたスギの古木。市場に出されなかった部分でも十分太く、樹齢も200年は行ってそうです。さて、製材してみると…。販売事業部・吉田に聞きました。
―これは何の木ですか?
スギですね。前に一度紹介した、お隣・あきる野市で伐採された木です。
※「巨大カヤと300年!? スギ」(2024年7月30日配信)
―樹齢300年は行ってるかな、という…
そうです。胸高直径で1mを超えるような立派なスギでした。
元から4番玉くらいまでは伐採した人が市場に出したので、ここにあるのはさらにその上の部分です。
―では高さ15mより上だったあたりなんですかね?
そうですね。それでも直径50cm近くはあって、樹齢も200年は超えてました。
―でかい木ですね。
ええ、それを製材したのがこれです。
―なるほど…。まずはこの、いい感じの穴が目に入りますね。
丸太の状態の時、木口から腐りが見えていたので、面白いのが出るだろうと思ってたんですけど、その通りでした。この抜けた風味とか、まるで欄間みたいですよね。
―確かに。
あとはやはり年輪の木目模様…
―さざ波のような細かく揺れてますね。
なんでそうなるんでしょうね…。樹齢が高い木はこんなふうに揺れますよね。
―人間で言う“しわ”ですよね。
時間の経過とともにいろんな経験をしてると思うんです。それが木目に表れてる。
―ですね。
年取った木は外から見ても神々しさがありますが、製材して内側を見ても…。歴史が刻まれてますよね。
―色は?
割れ止めのボンド塗ってるので濃く見えてますが、もともと濃いんですよ。黒っぽく見えるくらいの濃い赤なんです。
―そうなんですね。
特徴的でいいんじゃないですか。
―ですね、飾りたくなります。
妖艶ですよね。こういうのでアート展やったらいいんじゃないかとも思います。
―全部でどれくらいあるんですか?
12枚あります。
■素材データ
サイズ:全長:1900mm、幅:400mm内外、厚み:30mm
樹種:スギ
状態:未乾燥
伐採時期:2024年6月
(編集後記)
妖艶という言葉が最後に出てましたが、まさにそう。あやしい美しさで、なんか、触りたくなる感じ。ちょうど先週末(18日)で終わってしまいましたが、丸の内で行われた展示では木村玲奈さんという振付家・ダンサーとコラボして、同じスギで寝床を作成、パフォーマンスプロジェクト「横たわる森」を行いました。気持ち良さそう(木田)。