森デリバリー

自由学園で行なった、林業のお話と木工体験イベント

〜木の生命力を感じる丸太切り体験&木工ワークショップ〜

2024年1月初旬。日差しに恵まれた暖かい陽気の中、東京都東久留米市にある自由学園様のアフタースクールにお邪魔してきました!

今回参加してくれたのは、1年生〜6年生までの生徒20名とその保護者の方3名。

今回の参加者は小学生ということもあり、まず初めに、スライドを使いながら、
・日本や東京にはどれくらいの森があるのか
・林業(きこり)とはどんな仕事か
・森、山が元気だとどんな良いことがあるか
こんなテーマでお話しました。

日本は国土の約7割が森林で、大都会のイメージの強い東京都も実は約4割が森林です。
3択のクイズ形式で出題したのですが東京都の森林率については「2割」という選択肢を選んだ人も多く、意外とたくさんの森があることに驚いた様子。

林業については“きこり”という言葉を通して“木を切る仕事”というイメージが強かったようです。
実は四季を通じて植樹や下草刈り等色々な仕事があり、木を育てることで森や山を元気にする仕事ということを理解してもらいました。
「植樹は何本くらい植えるのか?」といった質問が出たりと、積極的に話に参加してくれる子が多かったのが印象的です。
元気な森や山からもたらされるものについては、高学年の生徒からは空気や水の話が出てきました。
光合成や温暖化の話などは、低学年には少し難しかったかもしれませんが、街の暮らしが森や山とつながっていることを知る機会になったら嬉しいです。
30分ほどのお話でしたが、話の途中でも質問が飛び出したりと、生徒一人一人、森への好奇心の強さを感じることができました。

さて、ここからは保護者の皆様にもご協力いただいて、丸太切り体験とスプーン&カッティングボード作りです。

丸太切りに使うのは大きな両挽きノコギリ!みんな丸太とノコギリのサイズ感にびっくりです!

上手くまっすぐ挽けなかったり、途中で止まったりと、苦労しながらもみんな最後は「ジャリッ、ジャリッ!」という小気味良い音と共にリズム良くカットできました。
今回使用した丸太はまだ伐って2週間程度の生の丸太。湿り気のある伐り立てのヒノキの丸太の香りに「いい匂い!」の声があがり、丸太になっても木がまだ生きていることを感じてもらいました。

お手伝いしてくれたお父さんたちの応援も力となり、お祭りのように賑わう丸太切りエリア

続いて木工ワークショップ。今回のメニューはスプーン作りとカッティングボード作りです。
スプーン作りでは、紙やすりでスプーンの形を削り出しながら、周りの友達と比べ合ったり匂いを嗅いでみたり。ただ作業するだけでなく、少しずつ変化していく木の様子を目と鼻と手で感じていました。

真剣なまなざし。職人のようです

カッティングボードはヤスリで磨くほどに表面がどんどん滑らかになります。

みんな「もっとスベスベに!」とさらに高みを目指します

木工ワークショップ中も「これはもっと削っていいの?」「ここすごいスベスベでしょ?」と常に色々と聞いてくれたり見せてくれたり、20人の生徒が自分なりの完成をイメージしながら取り組んでくれている様子が伺えました。
仕上げの手前で、削りはじめる前の状態を改めて見てもらうと「すごい変わった!」「えっ?全然違う!」と自分の頑張りの成果が見えたようです。

カッティングボードには森デリバリーの焼印を押す体験もしてもらいました

その後はいよいよオイルで仕上げです!

オイルを塗ったとたん、しっかりと木目が出てくる様子をみて今日何度目かわからない驚きの声が。

みんな自分で作ったスプーン&カッティングボードを目の前に笑顔全開です!次々に私たちにも完成品を見せにきてくれました。
何度ワークショップを行なってもこの完成の瞬間はこちらも嬉しくなります。

終わった後はみんなでお片付け。
しっかり切り替えをして、床の掃き掃除や机の上の使い終わったヤスリ等、協力して一気に片付けます。


より良い社会を自ら創る力、自ら課題を見つけ前進する力

一昨年100周年を迎えた自由学園様は、幼稚園から最高学部までの学園全体をひとつの社会と捉え、その中で”未来を描く自由、より良い社会を創る自由、共にルールを作り変える自由―好き勝手ではなく、真の自由の価値を分かち合える教育を提供されています。
学園内の樹木の管理や昼食作り等、学園の運営にも生徒が積極的に関わっており、学業だけでなく生活に関わる力の養成にも取り組まれています。
今回のワークショップでも、林業の話を聞いて自分の疑問や意見をしっかり伝えられる姿勢、片付けの際の切り替えの早さや協力する姿勢などから、学園の“より良い社会を自ら創る力、自ら課題を見つけ前進する力”を垣間見ることができました。

学園の敷地内にはケヤキや松、コナラ等を中心に約4,000本の様々な樹木と種類豊富な植生があり、人のための自然ではなく、人と自然が共生する姿を体現されています。今回の林業のお話が、生徒の皆さんの木や森への興味が増すきっかけになってくれたらと思います。
自由学園の生徒の皆さん、そしてサポートしていただいたスタッフ・保護者の皆様、素敵な時間をありがとうございました!

今回作ったスプーンやカッティングボードは1回作って終わりというものではなく、日々の生活で使う中で少しずつ色が変わったり、傷がついたらメンテナンスをしたりと、手入れをしながら長く使っていただけるもの。ぜひ今日一日の思い出とともにずっと愛用してもらえたら嬉しいです。

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