2015.11.05

なんで林業をやろうと思ったんですか?

と、初対面の人によく聞かれる伏見です。
しかしこういう質問って他のお仕事だとあまり聞かれないですよね?おそらく。
「なんでオフィスワーカーをやろうと思ったんですか?」とか、「なんでひよこ鑑定士をやろうと思ったんですか?」とか。いや、これはかなり聞きたいな・・・(・_・ )
まず珍しいというのが有るんでしょうね。絶対数が少ないですから。特に東京なんかだと。その上きこりの主な生息地は山の中ですし。都市住民にとっては、もはやチュパカブラみたいなもんですよ。そりゃ、チュパカブラに遭ったら「おまえ何なん?」てなるわな。
自分も学生時代にカモシカや雷鳥なんかの天然記念物はたくさん見ましたけど、野生のきこりに遭遇した事は無かったですからねぇ。
それと「大変そうな仕事になんでわざわざ・・・」という疑問も有るかもしれません。
なんてったって職業別カロリー消費量☆No.1☆ ダイバーや消防士よりハードなんですって。ほんとかな?なんの作業を想定してるのか知りたいところです。一口に林業と言っても色々な作業が有りますからね。
なんにしても常に己の肉体の可能性に挑戦し続けている私にとっては「おらワクワクすっぞ!」と言ったところです(*’ー’*)
DSC_0569              人力で切り株を抜根する筆者。普通は牛とか重機を使用します。
そう言えばもう一つNo1が有りました。就業中の事故率も全職業中No1。これはさすがにワクワクとか言ってる場合では無いです。
ただ登山をしてきた中で一歩間違ったら死ぬという経験を度々していたので、良くも悪くも危険に対する「過度の」恐怖というのが無いんでしょうね。
それで危なっかしいと「時々」注意されているんですが・・・去年よりはだいぶ改善されている、はず!
正しい装備、方法で行えば回避できる危険がほとんどですからね。自分が普通より危険な環境で働いていると自覚して、慎重な行動を心掛ければまず大丈夫。そう信じています。
(今思いましたけど、このブログ、長くなりそうですね。良いですか?続けますよ?)
あとは「儲からなさそうなのに、なんでわざわざ・・・」という疑問も有るかもしれませんね。多分に有るかもしれません。うんうん。。
実際、「林業すごい興味あるし、やってみたいけど家族居るからなぁ・・・」という知り合いの方も居ます。
新人ブログを見て「俺もニンジン齧って働かなきゃならんのか・・・」とか思ってしまうかもしれません。誤解ですよー。好きで齧ってるんですよー!ヾ(・ω・o)
(参考http://rookie-chainsaws.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-d28e.html
確かに、初心者が林業を始めた時の給料の額は、他の職種と比べてそんなに多くはないと思います。日給制の所が多くて、手取りは14~17万円くらいですかね。地方や会社によってバラつきは勿論有りますけど。社会保険も有る所と無い所が半々位じゃないでしょうか。ボーナスをくれる会社は全体の一割くらいです。全部自分が求人を見ていた頃のざっくりとした印象ですけどね。
「それじゃあ家族と普通に生活するのは無理だな・・・」ってなりますかねぇ。そう考える人が多いのではないでしょうか。
でもですよ?でも林業をやっていて家庭を持っている人というのは存在している訳なんですねー(´ε`*)ゝ僕は独りだけど・・・
しかも家族で卓袱台を囲んで白飯に塩を振りかけてモソモソと食べている訳ではなく!
一軒家に住んで、週末はかわいい子供達と奥さんと庭でバーベキューしたりしながら美味い日本酒を飲んで後輩に絡んだりしているんです!うらやましい!
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林業をやるとなったら住むのは山村かその近くの小都市に限られます。物価も家賃も安いです。檜原村だと一軒家で月3~5万円位で借りられるんじゃないかな。野菜は作ったり貰ったりですし。いざとなったらジャガイモかじってりゃいいんですよ。それじゃだめかヘ(´ω`)ゞ
自分の場合「普通に生活」の「普通」をまず疑ってますからね。生きるのにそんなにお金要らないんじゃないかと疑ってます。有るに越した事は無いですけど。くれるものなら貰いますけど。ていうか欲しいですけど。 どないやねん(;´д`)ノ
人生最大の買い物マイホームも、村で探せば300万円有れば買えるんです。それだけで「普通」より2000万~3000万円は節約できます。自分ならその浮いたお金で世界30周旅行ぐらいは余裕です。家賃5万円のアパートに5年住んだら300万ですからね。家買おうかな(・_・;
子供の塾とか学費とかも出費としては大きいですよね。でも脳っていうのは運動で発達するそうですよ。森の中で遊びながら色々な事を学ぶ森の幼稚園に通った子供達は情緒が安定していて認知能力も優れている、ってある本に書いてありました。
まあ僕の子供ならちゃんと学校で勉強すれば、塾に行かなくても返済不要の奨学金で大学まで行けるので教育費の心配は要りませんけどね( ´,_ゝ`)
(子供いない、奥さん居ない、居るようになる予定もない。妄想の問題に対して妄想の解決策を設定し悦に入るという高等技術です)
出費が少ない事に胡坐をかかず、収入を如何に増やすかというのも真剣に考えなくてはいけません。多くの林業事業体の方たちが如何に林業をビジネスとして採算が取れるものにしていくかという課題に、試行錯誤しながら取り組んでいます。チェンソーズも同じです。
「まずはお前が自分の給料分稼げるように仕事を覚えろよ」という声がどこからともなく聞こえてきます
(-。-;)はい、頑張ります
ここまで「きつい」・「危険」・「金が無い」と3K的な話をしてきましたが、逆に考えてください。解決すべき課題が多いという事は即ち改善する余地(ビジネスチャンスとも言う)が多く残されているという事です。やりがいが有るってもんじゃないですか!
ある本によれば日本の林業は欧州などの林業先進国と比べて50年は遅れているそうです。発展途上国です。
ならその遅れた時計の針を50年分、100年分進めたろうじゃないですか!
自分には具体的なアイデアはまだ何も無いんですけどね・・・
まず言ってみなくちゃ、やってみなくちゃはじまりませんから。
林業を「カッコいい」・「金持ち」・・・・えーと・・・「キャー素敵!」の3Kに変えていきましょう!
さて、前フリはこのぐらいにして、そろそろ本題に入りましょうか。
え?まだ続けるのかって?長くなるって書いたじゃないですか!
ここまでは「なんで林業をやろうと思ったんですか?」という質問の背後に存在している観念についてのお話ですからね。
質問そのものにはまだ何も答えていません。驚いたか!
え?もう疲れたって?では、その辺のお話はまた、次回にしますかねヘ(゚∀゚*)ノ
最近都会によく出没しているチュパカブラ(ふしみ)

この日記を書いた人

伏見 直之

伏見 直之

1989年生まれ。愛知県出身。関西学院大学文学部卒。大学時代はワンダーフォーゲル部主将。アウトドアメーカーに1年勤務後、持続可能な社会の実現に貢献したいという想いで転職。

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