2017.10.04

買わないわけにはいかなかった「村と森林」

岩波写真文庫に「村と森林」という1冊があります。開くとこういう写真が満載で、ぐっときます。756円。
初版の刊行は1958年(昭和33年)。100円でした。拡大造林真っ盛りのころの出版で、舞台は山梨県三富村の広瀬という山村。三富村は現在、山梨市に編入されていてもうないですが、その一部は秩父多摩甲斐国立公園であり、地理的に檜原村とも繋がりがある、他所ごととは思えない、そんなところです。山梨からは檜原に仕事で来ている人がたくさんいますので、だれかのお知り合いかもしれません。本人の場合もなきにしもあらずです。
木を伐り倒していますが、道具や装備こそ違えど、本質はいまとまったく同じ。見れば見るほど、違和感ありません。これは買わないわけにはいきませんでした。
いま販売されているのは2008年発行の復刻版で、映画監督・山田洋次のセレクション。あの名作「幸せの黄色いハンカチ」ほか、寅さんシリーズなどを監督した山田洋次は「人生について、労働や社会、国家について、その他いろいろについて考えさせられて飽きることがない」と述べています。
この写真のほかには、薪を背負って歩く母子や、炭づくりや飯場、伐木・運材など山仕事の様子、村の分教場、生活の情景など盛りだくさん。中でも、寝転んで古雑誌をめくる雨の日の飯場の写真がいいです。
おもしろそうと感じたあなた、こちらでも買えますよ。 →こちら
さて、前回のブログ”森日記”に世界各都市のグーグルアースの画像が出ていました(10km-25km上空)。最後の方に檜原村もありましたが、それをぐっと近づいてみたのがこの写真。
写真右側にある大きな建物が村役場。その右手に郵便局、ミニスーパー「かあべえ屋」。中央の道路沿いには神社や消防署など。その上に檜原中学校、さらにその向こうに檜原小学校。地上に降りると郵便局にはこんなポストが。木田

この日記を書いた人

木田 正人

木田 正人

1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。

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