2022.11.08

第78回 オーロラのようにゆらめく! プラタナス天板

3回目の登場となるプラタナス。初めは丸太で、続いて角材、そして今回は天板として…。赤みがかった木目がまるでオーロラのようにゆらめいて見えるプラタナスの木。
マテリアル販売事業部・吉田に聞きました。

―これは何の木ですか?

これはプラタナス。 

―前にご紹介した、ある施設で十何本か切ったうちの…

1本ですね。施設にはテーブルや小物を作って施設にお返しするんですが、その残りです。

―丸太で紹介した木ですか?

それとは違います。伐った後、ずっと施設に置かれてた木なんです。

―面白い形ですね。

そうなんです。ぼこぼこして、樹皮もごつごつ。

―確かにそうです。

こぶが結構あったんですよ。

―こぶですか?

ええ。こぶは病気や外傷が原因で出来ることが多くて、シミが入ることがあるんです…
シミが入ってると、見た目からあまり好かれることがないので、板を取るつもりはなかったんです。

―なるほど。

直径が50cmくらいあるから角材を取って、ベンチなんかを作ればいいのかなと思って、製材所に持って行きました。

―はい…

ですが、挽いて見ると…

―違ったんですね。

そうなんです。こぶの部分を最初切り落としたところ、繊維がうねってる面白い木目が出てきたんです…
ということを、製材所の方が教えてくれて、「ほんとに角材にするのか、板を取った方がいいぞ」と。
で、急遽、それなら板にしましょう、ということで挽き始めたものなんです。

―なるほど、確かに面白い木目ですね。

木の形状に合わせて波打ってるじゃないですか。こぶだったところが丸くなってますね。ドットみたいな模様が出てるの見えますか。

―ありますね。

玉杢(たまもく)と言ってましたね。ケヤキでもっと光沢が出ているものは、すごく高値になるからともおっしゃってました。

―樹皮も相当でこぼこですね。

そうなんですよ。

―流れる木目に躍動感、生命感を感じます。

確かに、確かに。

―岡本太郎の絵みたい。

なるほど。

―木目、改めて面白いですね。

そうですよね、めっちゃ綺麗です。オーロラのように見えます。見えますか?

―見えました。浮き上がってる。ゆらめいてます 笑

製材屋さんに持って行ったところでの急遽の変更でしたが、いい天板になりそうです!

■素材データ
サイズ:全長:2700mm、幅:500mm〜700mm、厚み:500mm、600mm、750mm
状態:未乾燥、耳付き
樹種:プラタナス
伐採時期:2022年1月
重量:50kg

(取材後記)
まだ乾ききってないので触ってみるとしっとり。しっかり乾燥するのには数年かかるそうです。このままテーブルにして、使いながら乾燥させることが出来たら面白いですね…(木田)

以前の紹介記事:

「淡い迷彩が目を引くプラタナスの木」(2022年3月29日)

「”柔らかな”芯の赤み〜プラタナスの角材」(2022年5月10日)

この日記を書いた人

木田 正人

木田 正人

1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。

この著者の日記はこちら