2022.02.01

第50回 直径1m! どっしりした丸太の台座

長さ4.4m、直径1mの巨大丸太。先端から角材、板と取り、一番根元に近い部分をどっしりした台座に…
マテリアル販売事業部・吉田に聞きました。

―大きいですね〜

直径は広いところで1m超えてます。
前にもお話した(文末参照)青梅から来たスギで、樹齢120年。

―木挽き職人が挽いた木ですね?

そうですよ。最初にこの台座になる部分を切って、それから板、角材と取ったんです。

―もともと台座を取りたかったんですか?

いえ、板をと思ったんですが根張りがあって…

―根張りがあると板にしづらいですか?

根張りは斜めに繊維が入っていて、板にすると繊維に応じた力がかかるので乾燥すると反るんですよ。だから、根張りを残すなら板にはできないと…

―考えた末に根張りがある部分だけ切り取ったんですね。

そうなんです。根張りを活かした丸太の腰掛けもいいんじゃないかと。

―いいですね。

高さをどうするかけっこう悩みました。ふつうのベンチだったら40cmくらいにするんですが、ちょっとぼてっとしてしまいそうにも思えて…

―で、この高さに。

30cmあるんですけど、腰掛けはもちろん、脚を付けてローテーブルみたいにすることもできるんじゃないかと思います。

―なるほど、見た目に安定感ありますね。

下側に向かって広がってどっしり感があります。

―年輪がくっきりしてますよね。

そうなんです。けっこう年輪幅があります。成長が早かったんですね。日がよく当たった斜面なのかもしれないです。ひょっとしたら南斜面だったかも。

最初はけっこう詰まってるんですが、20年目くらいのところで広くなります。間伐して、光が入って成長が良くなったんですね。
その後また混んでくるんですが、間伐して光を入れて、成長が良くなって…。その後は概ね成長良く、年輪幅は広めですね。

―樹皮はもう少し剥くんですか?

手作業で剥いたので少し残ってますが、削って綺麗にできます。

―割れてきましたか?

そうなんです。いま乾燥してる最中です。

―あとどれくらい乾燥させますか?

まだ時間かかりますよね。含水率がいま40%までくらいなんですよ。
あと半年おけば、そろそろ…。

■素材データ
サイズ:直径:940mm 〜1050mm、高さ:300mm
樹種:スギ
状態:樹皮剥き、未乾燥
伐採時期:2020年12月
重量:150kg(乾燥した場合)

(取材後記)
1本の丸太を活用した“木挽きさんシリーズ”はこれでひとまず完結。紹介した素材たちがこのあと山を出て、どのように皆さんの暮らしに、街の風景に溶け込んでいくのか楽しみです(木田)。

“木挽きさんシリーズ”
「製材機に入らない! 木挽き職人が切り出したスギの1枚板」
「60cm角! ほぼ東京最大級のスギ角材」
「年輪で120年の歴史を語る!?」

この日記を書いた人

木田 正人

木田 正人

1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。

この著者の日記はこちら