2022.03.01

第54回 天然グリップの”すべらない枝”

めずらしい広葉樹の樹皮剥き枝。手触りなど、針葉樹(ヒノキなど)とは一味違うテイストが!
マテリアル販売事業部・吉田に聞きました。

―これは何の木ですか?

広葉樹。シデですね。

―広葉樹の枝はめずらしいんじゃないですか?

そうですね。これまで扱ったものは、ほとんどが針葉樹でした…

―どういう使い道があったんですか?

樹皮を剥いたものを装飾やおもちゃのパーツに使っていただいたことが多いですね。

―今回はどういう経緯で広葉樹を?

じつは、たまたまなんです。

―たまたま?

針葉樹の枝と一緒に置いてあったので、担当者が剥いてくれたんです。

―どこから来た枝なんですか?

八王子です。
ヒノキと一緒に持ってきてくれたものです。

―特徴は?

面白いのは自然の絞りがあること。

―絞りというのは?

波状にうねった縦皺のことです。こうした皺が入った丸太を絞り丸太というんですが、その中でも、自然に皺ができたものは“天絞”(てんしぼ)といって、とくに貴重とされてきました。

―となると、これ枝ですが“天絞”ですね。貴重… 笑

そうなんです 笑
持ってみると、でこぼこした感じが分かりますよ。

―手触り、いいですね。

階段の手摺りにいいんじゃないですか?

―たしかに! 最初から滑り止めが付いてる 笑

天然グリップの広葉樹枝。1点ものですよ!

■素材データ
サイズ:長さ:2350mm、径:35mm〜55mm
状態:樹皮剥き
樹種:シデ
伐採時期:2021年10月
重量:1kg

(取材後記)
持ってみると、ほんと、手にしっくりきます。階段の手摺り、1箇所だけ変えてアクセントにするのもかっこいいですね(木田)。

この日記を書いた人

木田 正人

木田 正人

1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。

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