2023.12.12
第102回 ヒノキ枝の三変化!?
現場から届いたヒノキの枝葉。「1本まるごと」の代表的な素材に樹皮剥き針葉樹枝がありますが、最初はこんな感じです。
販売事業部・吉田に聞きました。
―これは何の枝ですか?
ヒノキの枝ですね。
―どこから出てきたんですか?
村内のキャンプ場からです。キャンプサイトの邪魔になるヒノキの伐採依頼を受けまして、そこで伐った木の枝です。森の中じゃないので日当たりが良く、結構太いしっかりした枝が多いです。
―伐採は最近ですか?
2週間くらい前ですね。
―なるほど、まだみずみずしいですね。
そうですよね、生命力を感じますよね。これ分かりますか?
―何でしょう?
球果と言って、中に50粒くらい種が入ってるんです。
花粉が風で飛んできて、こいつについて受粉して、ぽんと弾けて種が落ちるんです。
―なるほど。ところで、普通は枝を持ち出さないですよね?
普通は出さないですね。山なら山に置いて土に帰るのを待つのが普通でしょうし、キャンプ場のような施設だと、処分場へ持って行って処分ですね。
今回は伐採の現場から「枝が出ますが必要ですか?」と連絡があってすぐ取りに行きました。
―どうするんですか?
この後、葉や細い枝をカットして、棒状にします。そのあと樹皮を剥いて、素材として扱って行きます。
―どうやって出したんですか?
重機が入らない場所なので、手作業です。
―それは大変。ちなみに、カットした葉は何か使えたりしないんですか?
ディスプレイに使えますが、1ヶ月くらいで黄色っぽくなってきますので、緑のままで使いたいなら早目がいいですね。ほかにはアロマオイルの原料で使えます。
―こちらが葉をカットしたものですね。
そうです。こちらは青梅市の伐採現場から運んできたものです。
今在庫が少なくなってるので、この冬場の伐採シーズンいっぱい、樹皮を剥いて素材を生産したいですね。
―これで何本くらいあるんでしょう?
300くらいですかね?
―時間はどれくらいかかるんですか?
2人で1日半〜2日ですね。
―芯の赤身が鮮やかですね。
ヒノキの特徴です。赤が目立つのは特に油分が強いんでしょうね。
―綺麗ですね。
在庫にも赤が綺麗なのがあるはずですので、探してみるのも楽しいですよ。
―――――
このあと樹皮を剥き乾燥させたものがこちらです。
■素材データ
樹種:ヒノキ、サワラ
状態:乾燥、樹皮剥き
(取材後記)
本文では触れられなかったですが、樹皮はこんな感じ、まずは水圧で剥きます。残った細かな部分は金たわしを使って手作業で(木田)。
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。