2024.10.01
第122回 何、これ? 不思議なケヤキ
ケヤキの根っこ付近であることは間違いなさそうですが、一体、何なんでしょう? 生きてた時の姿を想像しつつ…販売事業部・吉田に聞きました。
これ、やばくないですか? 何だ、これと…
―確かに、何ですか?
ケヤキなんですけど、どこの何なのかよく分からない。
―確かによく分からないですね。幹っぽいのが左右に広がってます。
このあたりは根っこなんですよね…、細い根出てます(写真の赤い四角の枠内)。
―確かに。この根っこの面が地面に付いてて、向こうに伸びてる2本が幹になって上に伸びてた?
そうなんでしょうが、ではこっち(写真の赤い円の枠内)は?
―何なんですかね?
幹だと思うんですが、もはや全然分からない。
―それも根っこじゃないですか?
いや〜…?
―根っことは言わずとも、地面に付いてたんじゃないですか、根っこみたいに。
そうですかね…
―これはもう、やるべきことは生きてる時を想像することじゃないですか。
ですね。根っこ部分は間違いなさそうですが…。この太いのも地面に付いてたんですかね?
―そうだと思いますよ。
あぁ、岩の上なんかに生えてたのかもしれない。
―そうですよ。
そうなのかもしれないですね。この太いのが岩を抱いて、もう切られてしまってないですけど、先っぽが土に入ってたのかもしれないですね。
―よくありますよね、でかい岩にへばりついてる木が。
そういう感じだったんでしょう。この根っこの面も樹皮がついてるので、土の中にあったのではないですね。やはり岩の上だったんでしょう。
―なるほど。最初はどうだったんでしょうね?
岩の隙間に芽吹いたんじゃないですか。で、大きくなるにつれ、もっと根を張らなきゃいけないのに岩の上だから下に伸ばせない。それで岩を巻くように幹を伸ばしたのかもしれないですね。
―何か変だな、下に行けないよ、とか思いながら広がって行った(笑)
そう、「おかしい」、「おかしい」と言いながら…ではないかと思われます。想像できました!
―ところで、どこから出てきたものですか?
村の土建屋さんが工事の現場で伐って、その後ここに置いてあったんです。で、別の要件でここにきたとき見かけて面白いと思ったので、頼んで入手しました。そろそろ運び出すつもりです。
―なるほど。新しい命も出てきましたね?
はい。
■素材データ
サイズ: 全長:3300mm、幅:1000mm、高さ:1750mm(もっとも高いところ)
樹種:ケヤキ
状態:未乾燥
伐採時期:2024年4月
重量:3000kg
(取材後記)
何とも不思議な塊でした。別の木ですが、岩を抱くとはこんな感じです。山では時々見かけますが、生きるために身体を伸ばし、地面についたところで根を張る。野生というか、自然は生命力強いです(木田)。
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。