2024.12.24

番外 2024年ニュースレター・アフタートーク

2024年は1月16日配信の「ヤマザクラ〜優しい黄色のグラデーション」から前回、12月10日配信の「スモーク・オーク」まで、全25本をお届けしました。
紹介した樹種はヤマザクラ、モミ、シラカシ、コナラ、ケヤキ、ソメイヨシノ、スギ、ヒノキ、サワラ、カヤなど全15種類。形状でいうと、板、角材、丸太、根っこ、“ナニコレ”、までいろいろ。

気づけば今年も残すところあと1週間、ということで、ニュースレターの取材チームで1年を振り返りました。

社本(以下S):自分が今、一番皆さんにお伝えしたいと思っているのが、この間やったばかりですけど、スモーク・オーク。この面白さを共有できる方に、このタイトルと、記事と共にお届けしたいです(笑)

吉田(以下Y):う〜ん、これを縦に使ってほしい。横じゃなくて。

木田(以下K):角材のまま?

Y:墨が流れる方向は、上から下じゃないですか。

S:そうなのね、なるほど。

K:使ってるうちに流れてしまったりして…(笑)

S:これをスモーク・オークと名付けられることが素晴らしいですよね。

K:確かに。命名は吉田じゃないですか。

Y:そうですね。

K:韻を踏んでみました的な…

Y:だから何だと(笑)。でも、こういう面白さをみんな求めてるんじゃないかなと。

S:これを見てスモーク・オークって言って盛り上がる…

K:確かに、ナラ枯れ被害が多い、どうしようとみんな言ってる時に、スモーク・オーク(笑)

S:で盛り上がってるわけですから(笑)

↑ナラ枯れで伐採した社有林のコナラ

Y:そういう意味で、今年、ナラが多かったじゃないですか(※)。

※全25の中でコナラは3回紹介されました

Y:実際にコナラを伐ることが多かったですよね。ナラ枯れ被害がそれだけ増えてるという状況なんですよ。

K:そうですね。

Y:そんな中、僕はコナラを使えるようにしたいんですよ。ナラ枯れの被害を受け…、材は固いし…、反りやすいので家具には向かないと言われ続け…

S:今までは薪にしかなってなかった…

Y:でも、それを使わないでどうすると。絶対、避けては通れないと思うんです。

↑カヤの角材。写真左側が二股に分かれていく

Y:あと来年に向けてとなればカヤじゃないですか。これも避けては通れない。

K:カヤは初めに丸太を紹介して、製材後に角材、それから板と3回取り上げてます。

Y:カヤはいろんな要素があるんですよ。まず、伐採したのが以前、チェンソーズで一緒に働いていた森谷くんたちで、その現場を見に行って、そこで話して引き取ってきたという経緯…

K:そうですね。

Y:それから、製材所の方から聞いたんですが、カヤはもともと碁盤や将棋盤に使われていて、大きいものがあれば柾目で使われるので商品価値が高かった。
でも、今は碁盤もそんなに出ないし、そういう中で、大きい木を使って柾目の高級品を作るよりは、板目でリーズナブルなものを作るという手もあるのではとお話しされていました。

K:時代に応じて、みたいな感じですね。

↑コナラの伐採跡地に新しい芽吹き

Y:材は有限なんですよ。と、社本がよく言いますけど…

K:というと?

S:確かに木はたくさんあるんですが、あくまでも山があって森があって…、そこで育ってきた木というのは有限なんです。もうそれしかないんです…

K:確かにそうですね。そういうニュアンスも、このニュースレターでお届けしていきたいですね!

(編集後記)

今年は、ニュースレターの2回目(2021年1月26日)で紹介したスギの御神木がついに旅立った年でした(※)。樹齢160年を超える大木でしたが、台風被害で倒れ…。今は都内某所でテーブルとして第2(?)の人生(木生)を始めています。
「台風被害で倒れた大木の根株でつくるテーブルはいかが?」

ニュースレターで今ここにしかないものを見つけてもらえたら嬉しいです!
新年は1月14日が最初の配信となります。皆さま、良いお年をお迎えください(木田)

この日記を書いた人

木田 正人

木田 正人

1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。

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