2023.05.30
第91回 ユーカリ丸太、うねうね模様の板と角材に
ユーカリというと“オーストラリアでコアラが抱きついてる木”というイメージが強いですが、実は1990年前後から日本でも植えられることが増えてきてるんだそうです。今回紹介するのは神奈川県のゴルフ場で伐採されたのち、縁あって檜原に運ばれてきたデカいやつ。販売事業部・吉田に聞きました。
―ユーカリは珍しいんじゃないですか?
この辺りでは誰も扱ったことがないんじゃないかな〜と思います。ユーカリという名前は聞いたことありますが、なかなか触れることのない木ですね。
―どこに生えてた木なんですか?
厚木のゴルフ場です。弊社から独立して開業してる佐田くん(株式会社ヨキ社)が伐採して、その後、使うならお譲りしますよ、となりまして…
―運搬はどれくらい時間かかったんですか?
片道1時間半かかりました。
―結構遠かったんですね。ところで、普通、ゴルフ場で伐った木はどうなるんでしょう?
チップです。
―なるほど。それをなんとか活かそうかと…
そうです。
―結構大きいですけど、サイズはどれくらいなんですか?
直径70cmくらいありますね。重さも丸太2本で2トンくらいありました。
―すごいですね。樹齢はどれくらいなんでしょう?
30年〜40年ですかね。まだ若いわりに大きいです。
―ちょっと独特の匂いしますね。
酸っぱい、酢飯みたいな匂いがします。酢昆布みたい(笑)
―製材はしないですか?
今度、やってみようかなと思ってます。板目を見てみたいですね。テーブルとかローベンチに良さそうです。
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ということで、2本の丸太のうち1本(上の写真の左側)を板と角材に製材してもらいました(1本残ってます)。こちらは同じく販売事業部で材料調達を担当する吉田裕貴に聞きました。
―ユーカリの板は初めてですよね?
初めてです。うねうね模様が出てて、面白いですね。
―確かに。触った感じもうねうね、波打ってますね。不思議な質感ですね。
光が当たるとキラキラ見えるんですよ。
―確かに。でも、製材所で帯鋸で挽いたなら、こんなうねうねは出ないはずですよね。
そうです、製材後の乾燥の段階でこうなってきたんですよ。
―何枚あるんですか?
4枚あります。
―こちらは角材。うねうね模様がより明確ですね。
すごいですよね。それを活かした使い方したいですね。
―結構割れてますが、この状態でキープできたらいいですね。
そうですね、これ以上はそんなには割れないと思うのですが、様子見ながらですね。
―梁に使うには難しいですか?
建築の段階で削りますが、見せて使う部分はうねうね残せますね。
―こちらは2本?
そうです。
■素材データ
サイズ:
(板)全長:3000mm弱、幅:400mm〜600mm、厚み:60mm〜75mm
(角材):全長:3000mm弱、幅:220mm、厚み:180mm
(丸太):全長:3000mm弱、直径:700mm
樹種:ユーカリ
状態:樹皮剥き、未乾燥(丸太は樹皮付き)
伐採時期:2022年11月
重量(推定):(板)100kg前後、(角材)120kg前後
(取材後記)
本文でも触れていますが、このユーカリ、弊社で前に一緒に働いていた仲間から贈られたものです。チップ になってバイオマス燃料とし燃やされることが多いようですが、何とか木材として生きる道を探してやりたいですね(木田)。
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。