2023.06.13

第92回 ケヤキの”こぶ”を板状に…

直径1mのケヤキ丸太が製材される段階で、真っ先に切り取られたこぶの部分。普通はそのまま製材所で細かくされて燃料に使われてしまうようですが…
販売事業部・吉田に聞きました。

―久々に変わり種ですね。これは何ですか?

これ、ケヤキなんですが、製材の副産物なんですよ…

―というと…

製材するときは、丸太の端をまずカットして行くんです。これ、こぶになって幹から出っ張ってるところで、最初に落とす部分なんです。

―なるほど…。ところで、こぶって何なんでしょうね?

こぶはですね…、枝ともまた違うんですけど…
ちょっと別の木ですが、丸太見てみますか…

(丸太を見る)
この膨らんでる部分なんですけど、傷が付くなどで、木の内部に菌が入って、抗体がその菌と戦うことでできるものと言われてますね。

―ケヤキは多いんですか?

多いですね。菌が入りやすいのかもしれないし、逆に言うと、戦う力があるってことじゃないですかね。針葉樹も枝打ちした後、切り口をふさぐように幹が膨らんむじゃないですか。それも同じことかもしれないですね。

―この円形の模様がいいですね。

そうですね、何か宇宙みたい(笑)

−確かに…。中心が3つありますね(笑)

幹を輪切りにしてもこういう模様は出ないからこぶならではですね。

―色もいいですね。

ですよね…。少し日焼けしてますが、削るともっと鮮やかなピンク色が出てきますよ。

―よく見ると木目も詰まってますね。

山の中にあった天然のケヤキだから、年輪詰まってますよね。

―樹齢どれくらいだったんですか?

木そのものは100年超えるくらいでしたね。こぶも結構いってるんじゃないですか。

(年輪を数えてみる)
70年〜くらいですかね…。こぶはそれほど大きくならないから、詰まってますね。

―どんな感じで使えそうですか?

ローテーブルですね。

―いいですよね、うん。

1人用のサイドテーブルにいいかもしれない。
それかこのまま少し削ってお皿にするとか。パーティープレートみたいな…

―いいですね。今回は2つですか?

そうです。

―乾燥は?

割れ止めのボンドを塗って、日陰でゆっくりじっくりですね。

■素材データ
サイズ:(大)高さ:650mm、幅:1200mm、厚み:40mm
(小)高さ:600mm、幅:950mm、厚み:40mm
樹種:ケヤキ
状態:未乾燥
伐採時期:2022年11月
重量:(大)15kg、(小)10kg

(取材後記)
本文にある通り、製材の時に真っ先に切り落とされたのがこの“こぶ”の部分なんですが、製材所の社長さんがちゃんと取っておいてくれました。そして「何か使う?」と…
嬉しいことです(木田)。

この日記を書いた人

木田 正人

木田 正人

1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。

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