2025.04.15
第132回 ゴツゴツ・グネッの丸太の塊
重厚感たっぷりの丸太が4本。ゴツゴツの樹皮に苔が生えていたりと迫力満点ですが、実は「軽さ」が特徴のキリだと言います。販売事業部・吉田に聞きました。
―なかなか迫力ありますね。何の木ですか?
キリです。
―でかいですね。
でかいです。めちゃくちゃ成長早いんですよ。
―そうですよね。
年輪を見てください、間隔がかなり広いですよね。これはちょっと上の方の部分ですが、15年しか経ってないのかな〜という感じ。
―15年…!
元を数えたらもう少しあるとは思うのですが、20年とかそのあたりだと思いますよ。
―なるほど。
それでいてこの大きさ。密度が低いんですよ。空間が多い。
―軽いとよく言いますが、そのせいなんですね。
フォークリフトで持った時の体感ですが、このサイズ感のケヤキなんかに比べて半分くらいですかね。
―これはどこに生えてたんですか?
村内ですが、結構山の上の方に集落があって、そこにあるお宅の敷地に生えてた木です。事情があって所有者さんが依頼して伐ったようなんですが、しばらく丸太のまま転がっていたらしく、それを見たある人が(笑)、「チェンソーズなら使うだろう」と…
―最近、そういうの多いですね。
ほんと、そうですね。
―これまでは使いようがなかった、いずれは薪になるしかなかったような木にも、それ以外の使い道があるかもしれないと…
そういう価値観が、わずかながらも広がってるのかと思います。
―これで全部なんですか?
いや、さすがに全部は置く場所がないので選んでます。運搬の担当がセレクトしてきました。
―そうなんですね。何が決め手だったんですかね?
大きさや形状ですかね。
―グネっとした感じ、いいですね!
―穴が開いてるのもありますね。
そうなんですよ、測ってみましょうか?
―お願いします!
1800mm!
―深いですね〜
こういう穴やウロ、空間が大きいということもあって板には向いてないですが、塊として活かせそうかなと思ってます。
―塊ですか?
角材にしてということですが、前にベンチを作ったことがあります。
―なるほど。
あと、やはり軽さが特徴なので、昔から作られていますが、箱はいいかもしれません。
―確かに。
燃えにくい、抗菌という性質もあるので、昔から大事なものを入れる箱にしてたんですね。
―なるほど…
ただ、燃えにくいということは、薪にはならなかったようですね(笑)
■素材データ
サイズ:①全長3000mm、直径380mm、②全長2100mm、直径500mm 、③全長3200mm、直径380mm、④全長2200mm、直径520mm
樹種:キリ
状態:未乾燥
(編集後記)
キリといえば林業的には、下刈りの時の日傘でもありました。夏の炎天下、まだ小さい苗木の山での仕事である下刈りは日陰がほしい!そこで重宝されたのがキリ。自然に生えてきたキリは成長が早いのですぐ大きくなるし、葉っぱも大きいので日傘になるんです。
ただ、また来年もと思っていると、大きくなりすぎていて…。若干、扱いに悩むこともありました(木田)。
この日記を書いた人

木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。