2021.06.29
第23回 曲がりが面白い、もったいない、から倉庫に来た木
檜原村・小沢の土場に置かれていたクリとシデの枝先。ウッドチップとして処分されるはずでしたが、“曲がりの面白さ”が買われてここ、檜原某所の倉庫にやってきました。
マテリアル販売事業部・吉田に聞きました。
――これは何の木ですか?
クリとソロです。ソロというのはシデ類ですね。一般的にはアカシデとか、イヌシデというのかもしれません。檜原にはよくある木です(写真左がクリ、右がシデ)。
搬出している現場の土場に出ていたんですが、チップ材用の場所だったんですね。それをスタッフが「もったいない」と、引き取ってきたんです。「曲がりが面白い」って。
――「もったいない」と思うのがいいですね。
そうなんです。ニュースレター始めて、僕自身そうですが、いままで目に入ってなかった材がどんどん目に入ってきて、これは! となること多いですね。
――そうですよね。そういう目があるから、こういう材が世に出る。
そうなんです。
――で、何に使いましょう?
何でしょうね… 笑
――ところで、これは誰かお客様も見てるんですか?
見てますよ。みなさん「何ですか?」と 笑
(写真手前:クリ、奥:シデ)
ツリーハウスの構造材に使えるかも、というお話があります。
ーー構造材ですか?
やはり曲がりが面白いそうです。
――たしかに。
あとは舞台の装飾とか。
——これが枝先ということは、もともと大きい木だったんですか?
そうですね。
——何年生くらいですか?
50年くらい。
――伐採はいつですか?
10月ごろに伐ってたと思います。秋に切ると水分の抜けがいいですよ。
――冬はどうなんですか? 秋から冬にかけてが伐採シーズンだと思いますが。
そうなんですが、最近は、年が明けてから伐ると遅いという人もいます。現場の感覚でもそうかもしれないな、と。
――どうしてですか?
秋から冬にかけては木が水を吸い上げない時期で、乾燥させやすいし、腐りも入りにくいしで、伐るシーズン、伐り旬というんですが…、年が明けると、もう水を吸い始めてることがあります。
これも温暖化のせいなんでしょうか…。
■素材データ
サイズ:長さ:3700mm、径:90mm〜100mm(クリ)、60mm〜130mm(シデ)
状態:樹皮付き
樹種:クリ、シデ
伐採時期:2020年10月
重量:50kg
(取材後記)
檜原村某所の“まるごと素材”倉庫に、これもいつの間にかありました。初めは「何これ?」でしたが、話を聞いてみるとやはりいろいろと出てきます。
初めに苗木を植えた人、下草を刈ったりして木の世話をした人、伐採した人、山から出してきた人、まちで使う人…。いろいろ関わる人がいて、そういう人たちの気持ちを聞いてみたいなと思いました(木田)。
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。