2024.03.26

第109回_クリーム色のケヤキもあるんです!

ケヤキ材と言えば赤。これまでニュースレターで紹介したのも赤い色味の木肌が特徴でした。が、ここに並んだケヤキの角材は、何とクリーム色! 販売事業部・吉田に聞きました。

―これは何ですか?

ケヤキです。去年の年明けに檜原の現場で伐り出して、1年以上丸太で保管してたものを角材に製材してもらったものです。

―ケヤキといえば赤だと思ってました…

そうなんです。ケヤキは赤みが強い木肌が特徴ですが、これ全然違いますよね。

―ですね。

クリーム色のケヤキです。

―珍しいんですか?

いえ、あるはあるんですが、市場にはあまり出てないですね。

―どうしてでしょう?

ケヤキ材としてはあまり良しとされてないんですよ。

―良しとされてない?

よく見てください。年輪幅も広く、密じゃないですよね。

―確かにそうですね。

ケヤキはやはり赤くて木目が密なのが好まれているので、一段低く見られてるんです。実際、価格も安いです。

―そうなんですか…

木材業界ではこういうタイプを“青ケヤキ”と呼んでます。

―クリーム色なのに“青”ですか?

まだ若いということなんです。

―なるほど。樹齢どれくらいなんですか?

50年くらいですね。前に紹介した赤っぽいケヤキは100年超えてました。

同じケヤキなのにこれだけ色が違うこと自体面白くないですか?

―面白いですね。

赤いケヤキと並べるなどで比較して使えたら楽しそうです。

―確かに。

それに年輪が密じゃない分、木目の模様が大きく見えます。

―ダイナミックですね。

これをどう評価するかは人それぞれかもしれないですが、これまでマイナスに捉えられていた点に価値を見出してくれるような使い方ができたらいいですね。

―角材に製材してもらってますが、どんなのに使えそうですか?

サイズ的に柱にちょうど良いかと思っていますが、他にお皿や小物の製作にも使えるかと思っています。
この角材は芯去りといって、芯を避けて取ったものなので、旋盤含め造作用への転用も効くんです。

■素材データ
サイズ:全長:3100mm、幅:135mm、高さ:135mm
樹種:ケヤキ
状態:未乾燥
伐採時期:2023年1月
重量:40kg

(取材後記)
青はまだ若いことを表す色。青春ですね。上の写真は同じケヤキかは不明ですが、同じ檜原の現場で。気のせいか樹皮が青っぽく見えます。下は樹齢100年を超える赤いケヤキ。年輪も密です(木田)。

参考:
「厚みが迫力生むケヤキ天板」(2023年11月28日)

「ケヤキの“こぶ”を板状に」(2023年6月13日)

この日記を書いた人

木田 正人

木田 正人

1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。

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