2023.02.28

第85回 ”割れ”が模様になったプラタナスのカケラ

昨年5月に紹介したプラタナス角材からベンチを作って先日納品しました。今回はその製造過程でカットされ残った部分。普通は廃棄されるということでしたが…。販売事業部・吉田に聞きました。

―プラタナスは4回目ですね。ベンチの製造過程でカットされた部分ということです…

乾燥炉で乾燥させたものを修正挽き(※)した時に発生したもので、大きい方が側面で3枚、小さい方が木口で4枚取れました。

(※ 修正挽き:製材し直して、曲がりや割れの部分を取り除くこと)

―割れの模様がおもしろいですね!

そうなんです。

―こんなに細かい割れは珍しいんじゃないですか?

確かに、あまり見たことがないですね。針葉樹はこういう感じの割れは入らないです。

―小さい方の放射模様、いいですね。

そうですね。芯から割れが広がってます…

―動きがすごい。躍動感というか…

ですね。1個、自立するのもあるんですよ。

―それだけ色が違いますね。

これ、他とは別の木だったと思います。どれも色も割れも個性的ですね。

―大きい方は川の流れみたいです。

確かにそうです。地図みたいですよね、地形図。割れは等高線です 笑

―右の上の方にポツンとある丸い点は枝の跡ですか?

そうですね。芯と同じで、そこから割れが広がってます。地形図で言うと山ですね 笑

―ところで、割れは今後も広がることはありますか?

ほぼ乾いてるので、おそらくこれ以上は広がらないと思います。逆に湿った環境に置くと少し狭くなるかもしれないですね。

―色も綺麗ですね。

プラタナスは赤みがいいですね。少し乾燥炉で焼けたこともありますね。

―修正挽きで取り除かれた部分は普通どうなるんですか?

反ってるので普通の板としては使えないんですよ。だから、製材所では破棄ということで燃やすでしょう。

―どんな使い方できそうですか?

絵画みたいに飾って、割れを楽しむ 笑

―ですよね、壁にはめ込むかするといい感じです。

あと、照明…。裏から光を当てると、割れの隙間から光が届く。

―それはすごい。

■素材データ
サイズ:(大)全長:1200mm、幅:500、厚み:24mm〜30mm。(小)全長:500mm、幅:400mm、厚み:30mm〜100mm
状態:乾燥
樹種:プラタナス
伐採時期:2022年1月
重量:(大)5kg〜8kg、(小)2kg〜5kg

(取材後記)
チェンソーのバーの跡も楽しめる“木こり仕様”のプラタナスのカケラ。ある施設で事情があって伐採された木ですが、いろいろ形を変えて使われることとなってます(木田)。

丸太:https://tokyo-chainsaws.jp/ippon/newsletter/58/
角材:https://tokyo-chainsaws.jp/ippon/newsletter/63/
天板:https://tokyo-chainsaws.jp/ippon/newsletter/78/

この日記を書いた人

木田 正人

木田 正人

1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。

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