2024.04.23

第111回 重厚感いっぱいスポルテッド・メイプルの天板(二股)

今回はイタヤカエデの分厚い天板をご紹介します。しかも二股でスポルテッド! 販売事業部・吉田に聞きました。

―すごい重厚ですね、何の木ですか?

これはイタヤカエデで、一昨年、青梅の現場で伐り出したものです。

―大きい木だったんでしょうか?

根元付近で直径40cm近くあったので、この辺りのカエデとしては大きい方ですよ。

―なるほど。それを製材して天板にしたと…

そうなんですよ、どんなふうに使おうか考えつつ、丸太のまましばらく置いてたんです。
で、やはり形が面白いので。

―確かに、二股がいい感じですね。

商品等の展示台かベンチの座面に使えたらいいかなと思ってます。

―で、製材所で分厚く挽いてもらったんですね。

多少、遊び心もあってですが、迫力ありますよね。

―黒い線模様もいいですね。

スポルテッドですね。

―何らかの原因で木に傷がついて、そこから雨水が入ってシミになった跡ですよね?

そうです。

―コナラとは模様の雰囲気が違いますね。

そうですね、よりクッキリしてますし、絵を描いたようになってます。やはり樹種で違うんじゃないですか。

―確かに絵ですね。

あれじゃないですか、ムンク。ムンクの絵の背景にある、ぐるぐる(笑)。
あと、ここの繊維が入り組んで網目になってるところも見所です。

―色は白っぽく地味ですけど、何気に実は派手ですね。

そうかもしれないですね、二股が交わる部分は光ってますし…

―いかにも重そうですけど、どれくらいあるんでしょう?

乾燥して、含水率が10%から15%になったら170kgくらいなので、今は250kgはありそうですね。

■素材データ
サイズ:全長:1900mm、幅:350mm〜850mm、厚み:210mm
樹種:イタヤカエデ
状態:未乾燥
伐採時期:2022年11月
重量:250kg

(取材後記)
まるごとニュースレターも今回が111回目。スタートからの3年半で111個の“森のヘンテコ”素材を、まじまじ見たことになります。そんな僕が最近好きなのが、二股の天板。これが1個あると、世界が変わります(木田)。

この日記を書いた人

木田 正人

木田 正人

1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。

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