2024.05.07

第112回 ケヤキ丸太から切り落とされた「ナニコレ」

丸太を製材した際に出てきたいわゆる“端材”。樹齢100年を超えるケヤキということで色も良く、木目も詰んで言うことなしなんですが、形が「何これ」!? 販売事業部・吉田に聞きました。

―これは何の木ですか?

ケヤキですよ。

―形がすごいですね。どういう“もの”なんでしょう?

おととし、青梅の伐採現場から何本か大きいケヤキを出してきてるんですが、その一部で、見ての通り、製材の過程で切り落とされた“端材”です。

―端材ですか?

そうですね、普通は燃やすくらいなんでしょうが、製材所の方から「持ってく?」とお話しをいただいて「持ってく」と(笑)

―製材所の方も分かってる(笑)

そうなんです。


↑ケヤキのこぶ(別な木)

―ところで、どんな部分だったんでしょうか?

「こぶ」が2つボコっとある丸太から板を取ったんですが、その一番端の方です。

―こぶですか?

こぶは木に何かの原因で傷がついて、その内部に菌が入ったときなどに、その傷を修復しようとしてできた膨らんだ部分と言われてます。木が菌と戦った痕跡ですね。

―人間でいう、かさぶたができるみたいな感じですか。

そうです。ケヤキはこぶが多いので、そう言う意味では抵抗力のある強い木と言っていいかもしれないです。

―色合いもいいですね。

ですね。ケヤキらしい赤というか…。
3月に「青ケヤキ」を紹介しましたが、全然違いますね(※)。

※青ケヤキ:まだ樹齢が若い(青い)ケヤキのこと。「クリーム色のケヤキもあるんです!」(3月26日配信)

―確かに。「青ケヤキ」は樹齢50年くらいでしたが、こちらは何年くらいなんでしょう?

100年超えてますよ。

―木目も面白いです。雲を描こうとしたみたい。

あ〜、それかウエザーマップ。台風の目みたいですね。

―確かに。それに動きもさまざまですね。

そこが広葉樹の面白いところなんですよ。針葉樹は一方向に木目が進みがちですが、広葉樹はぼこぼこしてるからいろんな方向に伸びて、その動きが綺麗に見えてるんです。

―裏側はどうなんでしょう?

こっちも色綺麗ですね。

―細いところで色が違ってますね。

上下の幅広のこぶがあったところは芯材なんですが、そこは辺材なんですね。その差です。

―どういうものに使えそうでしょう?

薄くて反りやすいので精密なものを作るのは難しいですね。
商品の展示台なんかいいのでは。

―なるほど。

あとは壁面装飾か…、ベンチの座面にも使えそうですね。

■素材データ
サイズ:全長:2500mm、幅:280mm〜700mm、厚み:45mm
樹種:ケヤキ
状態:乾燥
伐採時期:2022年11月
重量:10kg

(編集後記)
ということで座ってみました。若干、土台が急づくりではありましたが、大きさ的にはちょうど良かったです。ただ、木材置き場では何とも映えないですね(木田)。

この日記を書いた人

木田 正人

木田 正人

1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。

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