2024.06.04
第114回 軽やかモダンな角材
2年前に一度紹介したキリ角材。今回、十分乾燥した上、サイズも変えたということで再登場です。販売事業部・吉田に聞きました。
―これは何の木ですか?
キリですね。2年くらい前に一度、ニュースレターで紹介してます。
―そうですよね。そのときも角材だったでしょうか?
はい、製材してすぐの時ですね。
―前に紹介して以降はどうしてたんですか?
ここ(天然乾燥場)の奥で2年以上保管して乾燥させていたんですが、もう十分乾きました。このサイズの角材で、これだけ早く乾燥するのはやはりキリだからでしょう(※)。
※キリは内部に空隙が多く(全体のおよそ80%)、その部分にあった水分が抜けやすいので、木材として乾燥が早い
―キリといったら軽いイメージがありますが、角材にするすごく重厚感がありますね。
ですよね、キリは箪笥に使われたりしますが、すごく軽くて繊細なイメージがあって…。実際、比重も20%台で日本で一番軽い木なんですよ。
でも、この角材は実は100kgを超えてるんですよね。
―意外と重いですね。
とはいえ、他の樹種よりは軽いんですよ。
―そのせいか、重々しさは感じないですね。
確かに。ケヤキなんかに比べて軽やかですね…、カジュアルな角材!
―色もいいのかもしれないです。
基本的に白なんですけど、和っぽさがないというか、結構モダンな感じを出しますね。
―木目も素直ですね。
そう、あまりくねくねしてないくて、比較的真っ直ぐ、上へ上へと伸びてます。
全体的に個性が控えめで、落ち着きますね。
その反面、少し弱いところがあって、こういう腐りがあったりも。
―でも、角材にすると、そういうのもあまり気にならないですね。
そうなんですよ、板だったら欠点となって、「使えない」ということになってしまいますけど、角材だったら問題ないですし、面白みになってます。
もう一度、加工しますけど、ベンチなんかにも良さそうですね。
■素材データ
サイズ:全長:1800mm、幅:400mm、高さ:400mm
樹種:キリ
状態:乾燥
伐採時期:2022年2月
重量:120kg
(取材後記)
ちょっと叩いてみました。心なしか、音も軽やか! 実は今年、木で何か楽器を作ろうと思っていたのですが、思ってるままで、気付いたらもう6月(木田)。
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。