2024.09.03
第120回 アカマツ“太鼓梁”を用意してみました
アカマツのボリューミーなタイコ材。木材の性質を活かし、昔は“太鼓梁”と言って好んで使われていたそうです。最近はそうした使い方も少なくなってるようですが…販売事業部・吉田に聞きました。
―これは何の木でしょう?
アカマツですね。神奈川のゴルフ場で伐採された木なんです。
―でかいですね。重量感、ボリュームがすごい!
ゴルフ場なので日当たりが良くて、成長も良かったんですね。
―ちょっと変わった形ですね。
タイコと言って、2面だけ製材して、残りの2面は丸太のままという仕上げです。
―単純にかっこいいなと思うんですが、何か理由があるんですか?
大工さんと話していて、昔はタイコに挽いた角材を梁に使っていたというような話を聞いていたんです。太鼓梁と言うんですよ。
―太鼓梁ですか?
タイコにすると普通の角材より幅広になるので、強度が出て需要があるそうです。
―そうなんですね。
特にマツがいいと聞いていた中で、ちょうど大きいアカマツが出てきたんですよ。
始めはこんなでかいのをどう使うんだとちょっと思ったんですけど、そうだ、梁を取ってみようと!
―はい、
本当はもう少し長さがあれば、この太さで6mあれば大梁で使えるので良かったんですが…、贅沢は言えないですね。
太鼓梁の試作品のようなものです。
―梁にマツがいいと話していましたが…
そうですね、スギに比べて硬いのでたわまないですね。それに粘りがあって強いんですね。
それにアカマツって真っ直ぐじゃないじゃないですか、何か倒れそうなくらいの感じで生えてて…。それをその曲がった形で製材してタイコにするので、梁にしたとき強度が出るんです。
―なるほど、とはいえ、今はこれを梁に使う建築はあまりないのでは?
そうですね、確かになかなかないと思うので、最終的には分からないですけど…、ベンチになるかもしれないです(笑)
でも、昔ながらのそうした木材の性質を活かした使い方が復活できると面白いですね。
■素材データ
サイズ:全長:4300mm、幅:590mm、高さ:300mm
樹種:アカマツ
状態:未乾燥
伐採時期:2024年5月
重量:500〜600kg
(取材後記)
檜原村はアカマツが少なく、標高が高いところ(800m〜)に生えているくらい。何年か前に間伐で行った山の一角にアカマツのちょっとした群生があり、一緒に行った同僚が「マツタケの匂いがする」と言っていたのを思い出しました。もうじきシーズン到来ですね(木田)。
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。