2024.09.17

第121回 水玉サワラ

日当たりの良い市街地で伐採されたサワラ。成長が良いぶん年輪幅が広く、木材としては一段下に見られてしまうのですが…。節もいい感じ! 販売事業部・吉田に聞きました。

―これは何の木ですか?

サワラです。

―サワラとはどんな木なんでしょう?

針葉樹で見た目はヒノキに似てるんですが、もう少し柔らかく、耐水性が高い木です。檜数の山にも数は少ないですが、生えてますよ。

―そうなんですね、この木も檜原ですか?

いや、これはお隣・あきる野市で伐採されたものです。

―節の感じも独特ですね。渋い水玉模様!

確かに、結構太い枝が出てたようですね。色もヒノキみたいに真っ赤じゃなくて、スギみたいに黒くなくて、その中間のような…

―バランスもいいですよね。

ポツンポツンと…

―木自体、大きいですね。

ええ、この木は山じゃなくて、住宅地に隣接した日当たりの良いところに生えてたので、成長がいいんですね。

―なるほど。

これ地上から7m前後の部分ですが、それでこの太さ(54cm)。

―樹齢はどれくらいなんでしょう?

まだ若いですね。45年から50年くらい。

―ほんと、成長早いんですね。

そうなんです。年輪幅も広めで、一般的には良しとされる木ではないんです。
だから、板に製材するのではなく、このサイズを活かそうと半割のタイコで挽いてもらいました。

―半割にしたのは?

角材より乾燥が早いんです。

―なるほど。

実はベンチにいいかなと思ってるんです。奥行きがちょうどいいですよ。脚をつければ高さも取れるし。

―使うときは樹皮は落としますか?

そうですね、樹皮の部分はやはり腐りやすいので、落とした方がいいですね。

何の変哲もないサワラといえばサワラなんですけど、伐採して、処分すると処分費がかかります。原木市場へ出荷しても値がつかない…それならサイズを活かそうと思って。
ちなみに在庫は2つあります!

■素材データ
サイズ:全長:2600mm、幅:370mm(座面)〜540mm、高さ:190mm
樹種:サワラ
状態:未乾燥
伐採時期:2024年7月
重量:およそ200kg

(取材後記)
ニュースレター読者である家具等を扱う某お店の方と最近話しました。「面白い」とおっしゃって下さってる中で、これは! と思ったのが、「タイトルに“甘い”などお菓子っぽいイメージがあるのがいい」とのお言葉。大いに参考にさせていただきます!
それとは別に「楽しいけど、いつも用途がベ○チだよね」とのコメントも。確かに!(木田)

この日記を書いた人

木田 正人

木田 正人

1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。

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