2021.04.20
第14回 ビッグ根張りで作る案内板はいかが?
ビル内のサインに使ったら映えそうな巨大なヒノキのバタ付き根張り。通常はここまで大きいものは出てこないのですが…マテリアル販売事業部・吉田に聞きました。
——ずいぶん大きいですね。
山で伐採するときに、邪魔になるので先に落とす根元の広がり部分を“根張り”と呼んでいて、在庫しているものの多くは最大で50cmくらいですけど、これは製材所に根張りがついたまま持って行って、製材所で挽いてもらったときに切ってこぼれ落ちた宝物。“バタ”と呼ばれる丸太の端の丸み部分と根張りが一体になってます。
—製材所に持ち込むときは、根張りありで持ち込むこともよくあるんですか?
そうですね。だからこういうのもあるんですよ。ただ、通常は使えない部分としてチップなどにしてしまうので、このままの形では残らない。
——いつ伐採したんですか?
けっこう前。3〜4年は経ってますよ。
——そうするとかなり乾燥してますね。
かなり。
それから、この木目を見てください! 根張りに共通するタケノコ型です。
—タケノコってはじめて聞きました。でも、木が成長する過程がよくわかりますね。
根っこから伸びて、太いところから細くなって上に伸びて行く、その過程を刻んでるんですよ。
——どんなふうに使いますか?
表面をきれいに削ってそこにレーザーで印字して、看板として使うのはどうでしょうか? 鉄の土台をつけて使うと良さそうです。
ちなみに、裏側は樹皮が少し残ってます。
これは製材所のリングバーカーという機械で樹皮を剥いているので、水圧で剥いたのとは違って、表面がガサガサしています。
このままでも良いし、加工して綺麗にすることもできますよ。
■素材データ
サイズ:高さ:1500mm、幅:320mm、奥行き:120mm
状態:樹皮付き
伐採時期:2017〜2018年
重量:5kg
【取材後記】
山にあるとあまり目立たないのですが、空港や駅、商業施設などにあれば存在感抜群だと思います。「Welcome to JAPAN」「Welcome to TOKYO」なんて書いてあったらかっこいいです!(木田)
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。