2021.09.21
第34回 ”ワイルド”を残したヒノキの1枚板
中心付近に荒々しさを残したヒノキの1枚板。重厚感もいっぱい。
マテリアル販売事業部・吉田に聞きました。
―おっ、すごい! 何ですか?
ヒノキですよ。
―ずいぶん、個性的なかたちですね…
綺麗な1枚板が取れないところなので、ふつうであれば使われない部分なんですが…
―残してくれた…
そうですね。製材したとき、ここは弾いたはずなんですが、もったいないと思って取っておいた。取っておいてくれた、というものですよね。
もともとの木のかたちに合わせてるので根元(手前)の方が太くて、先の方(奥)がだんだん細くなってます。根本の方は57cm。先の方はもう少し小さい。
―一部、樹皮が残ってるんですね。
水圧で剥いてもいいかなと思いますが、このままも面白いかもしれない。
―反対の面はふつうですね。
そうですね。だいぶ時間が経ってるので、埃と日焼けとで木の本来の色が見えないですけど、削ればヒノキ特有の白くて少しピンク色っぽい面が出てくると思いますよ。
―それにしても大きい木ですね。
伐採したときの受け口(チェーンソーの切り口)の跡が見えますから元玉(一番根元の部分)ですね。
―もとの木の大きさはどれくらいだったんでしょう?
直径1mくらいあったんじゃないですか。樹齢もかなりだと思いますよ。100年じゃきかないですね。200年とか…そういうレベルだと思います。
―どう使いますか?
このまま使ってほしいですよね。このへこみを活かして…
あと、これのいいところは、コントラストを出せるところですね。
ーコントラスト?
少し薄くなりますが、表面を綺麗に磨けばひとつの天板で中心付近は荒々しく、両サイドは綺麗というのができます。
―そういうテーブルがあるとおもしろいですね。
店舗で使ったら面白いと思います。ちょっとでこぼこしてますけど、コーヒースタンドくらいだったらぜんぜん使えますよ。食事する人は平らな広いほう。
ただ、家で使うにはちょっと大きいかな…?
―相当、重厚感がありますね。
そう。ただの板だとしても重厚感いっぱいですね。
―重さは?
相当重いですよ。
(持つ)
―たしかに!
―3本の木がくっついたように見えますね。それぞれに年輪が丸く入っていて…
面白いですよね。
根っこも全部こうなんですよ。その根っこごとに年輪がある。
―つまりここは根っこということですか?
分かんないですけど、不思議ですね…
■素材データ
サイズ:長さ:2400mm、幅:(末)460mm〜(元)570mm、厚み:120mm
状態:樹皮剥き(一部樹皮あり)
樹種:ヒノキ
重量:50kg
(取材後記)
重かったです! それにしてもどういう木だったんでしょうか? 気になります(木田)。
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。