2021.12.14
第45回 スギの樹皮。何に使う!?
木の表面を覆う樹皮。国内屈指の林業地である吉野(奈良県)ではしっかりした需要があるようです…
マテリアル販売事業部・吉田に聞きました。
―これは何? 笑
スギの樹皮です。
―どういうものに使うんですか?
昔は屋根材として使ったりしてたようですけど…
―いまは?
そういうのもなくなったので…。ペレットにもならないでし、製材所でも燃やすしかないみたいです。
うちでは、これでアウトドア用の焚き火のファイヤースターターを作ったりしてますが…
樹皮は林業含めた木材産業の中でネックというか、どう使って行くか課題ですね。
―夏に研修に行った先で、樹皮についても見学したそうですね?
奈良県の吉野にある森庄※さんという会社で見学しました。
林業と銘木の販売をやっている会社なんですが、樹皮も製品化してるんですよ。
※:森庄銘木産業株式会社(奈良県宇陀市)
―どんなふうにやってるんですか?
年に1回、夏の土用の期間に樹皮を取る作業をするんです。その時期が最適だそうで…。ちょうど、その現場にお邪魔できたんですが、山に行くと職人さんたちが6人いたかな。120年生のスギを伐り倒して、そこへ職人さんが、2m間隔くらいで並んで、専用の鎌とヘラで皮を剥いていく。
―はい。
剥いた樹皮は、表面の毛羽立ってる部分を落とし、その後、内側同士を合わせて、どんどん重ねるんです。
―なぜ樹皮の内側同士を重ねるんですか?
樹皮の内側は養分の通り道になっているのですが、それが発酵して熱を出すんです。熱が出るから乾くし、防虫にもなるそうです。
―重ねたものをどうするんですか?
簡単な屋根をかけて、山に半年置くそうです。その後室内に移動して、さらに半年乾かすと聞きました。
―乾燥に1年ですか。しっかり時間かけるんですね。
品質の高さがすごいです。厚みや幅のサイズも決まっていて、自然のものなんですけど、規格化されてるんですよ。
―東京とは違いますね。
違いますね。でもそれは、森庄さんだけじゃないかもしれない。吉野の方達みんなそうだと思うんですけど、きちんとした樹皮の市場があって、規格化して、品質を高める必要があるんですよね。
―それを求めるお客さんがいる、ということですね。
そう。需要があって、マーケットがあって、それに対応してきた歴史があるんですね。
―では、東京ではどうしましょうか?
フィールドが違うので、やり方も違ってくるのかなと…
―どういうものに使えそうですか?
自然感、森感が出せるので、ディスプレイで使えるかと思います。需要あるんじゃないですか。
■素材データ
サイズ:高さ:900mm、幅:300mm前後、厚み:3mm前後
状態:乾燥
樹種:スギ
(取材後記)
「同志」。今回の内容について森庄さんに連絡した際のお返事にあった言葉です。共に頑張る感じがして、とても嬉しかったです(木田)。
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。