2023.04.25
第89回 ホワイト・ブライト・ケヤキ・タンコロ
めちゃくちゃ白い、ケヤキの樹皮剥きタンコロです。
タンコロとは、曲がってることなどを理由に山に切り捨てられてしまう、根元の方の短尺材のこと。名は体を表すではないですが、短く、ころっとしているからそう呼ぶのかなとも思ったり…
販売事業部・吉田に聞きました。
―これ何の木ですか?
ケヤキのタンコロです。手前が樹皮付きでそちらが樹皮を剥いたものです。
―樹皮を剥いた方、すごい白いですね。
そうなんです。あまりに白くて 驚きました!
―あまり見ないですよね、樹皮剥きケヤキ。
見ないですね。
―樹皮付きのもいい感じですが…
はい、ケヤキの樹皮は象の皮膚のような独特の雰囲気があっていいんですよ。ただ、やはり樹皮があると虫がつくので、剥いた方がいいかなと思って…
―それにしても白すぎるくらい。
そうなんです。剥いた時は白すぎて、果たして良かったのかと思ったりもしてたんですよ。でも、針葉樹と比べると…
―はい。
針葉樹は黄色っぽいですよね。この白さを生かしたいですね。
―どんな使い方ありそうですか?
スツールや商品棚を作るのもいいんじゃないですかね。特に光が煌々としてるような、綺麗なショップだったらマッチするんじゃないかと思ったりしてます…
―節もなく、ツルッとした印象もあります。
ええ、結構使い道あるんじゃないでしょうか。
―いくつあるんですか?
6つあります。
―ところで、この膨らみは?
コブですね、ケヤキにはよくあります。
―大きさどれくらいなんですか?
直径は30cmくらい。
―普通、このサイズのケヤキはどう使うんですか?
いや、使わないんじゃないですかね。チップにすることが多いような気がします。
―そうなんですか…
原木市場に持って行けば売れはしますが、安いです。
広葉樹はすごく難しくて、ある程度のサイズにならないと使えないし、サイズが合って使うとなると乾燥が、例えば10年かかるしみたいな話になるんですよ。
―それは大変。
今の針葉樹の林業や製材をやってる業者からすると使いづらいのが正直なところなんです。でも、檜原の山も4割は広葉樹ですから、これからはその活用も考えないと…
■素材データ
サイズ:直径:200mm〜300mm、高さ:400mm〜650mm
状態:樹皮剥き・あり、未乾燥
樹種:ケヤキ
伐採時期:2022年11月
重量:30kg前後
(取材後記)
あまりに白すぎて光が散乱してたんでしょうか。途中でカメラのシャッターが押せなくなるというトラブルが…。あと、重いです(木田)。
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。