2021.07.27
第27回 際立つトンガリ! 自然倒木・根株の魅力
標高490m。弊社社有林尾根側の入り口です。ここから林内に向けて作業道が伸びています。その作業道をつくるときに伐採し、地中に残った根を引き抜いて、山から出してきたのが“普通の根株”。
今回は自然に倒れた木の“特別な根株”が主役です。マテリアル販売事業部・伏見に聞きました。
―これはどんなものですか?
倒木の根っこです。
―倒木?
僕たちが伐ったものではなく、自然に倒れてた木です。“根むくれ”とか“根こぎ”といったりしますが、根っこごと倒れてしまった木ですね。
ー古いんですか?
ここ何年かのものじゃなくて、ずっと倒れてて、残った部分ですね。風化してます。
―形が際立ってますね。
形がきれいですね。油分が多いからか、根っこはきれいに残るんですよ。
―根だけ残る?
はい、半分、土に埋まってたりします。油分もそうですが、密度が高いからというのも関係あるかもしれないですね。
―幹は?
たいていポロポロに枯れちゃってます。残っていても1mくらい…
―引き抜いた根と違いますか?
こうした魅力的な尖りが残るんですよ。抜根だと重機で掘り出すので、こういう細かい尖りは折れてしまって、残らないことが多いですね。
しかも、軽いから、人の手で運び出せる。
―社有林のどこですか?
細いのがいっぱいあるところがあって。そのなかに倒木がけっこうあるんです。
―けっこうあるんですね?
そう。細くて、根っこが大きく張り出せなかった木が、風に負けて倒れちゃう。
自然に間伐されたともいえます。
―化石みたい。
そうなんですよね。白骨化した木みたいで。これ、いいじゃんって思いました 笑
すごいよね、ここで別れて繋がってるのが意味わからない。
ー樹種は?
なんだろうな。このままじゃ難しいですね。どこか切って、新たな面を出さないと分からないですね。でも、ヒノキっぽいですかね。
―それにしてもいい形ですね。
けっこう均等に広がってるんですよね。
もうひとつのこっちはちょっと片寄ってる。
苔も生えてて、わびさびですね。
(叩いてみる)
―音が軽い。
軽いですね。流木ふうです。流されてない、洗われてないやつ。
―これはこのまま置き物として使いますか?
そうですね。存在感ありますから。
■素材データ
サイズ:(右)根の広がり:1200mm、高さ:1000mm (左)根の広がり:900mm、高さ:900mm
樹種:不明(本文参照)
伐採時期:自然倒木
重量:(右)20kg (左)30kg
(取材後記)
形がすごく面白い! 個人的には輪になってる部分が好き。山の中ではよく見ていたはずなんですが…(木田)
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。