2021.12.21
第46回 木こりも前代未聞! 螺旋状に巻きつく驚愕のヒノキ
みんな口を揃えてこういいます。「こんなの初めて見た」と。二股に分かれた2本の幹が、お互い巻きつき螺旋状に成長したヒノキ。なぜ!?
林業事業部・伏見に聞きました。
―これはすごいですね!
樹齢10年すぎたくらいのヒノキですよ。
―どうなってるんですか?
下から30cmくらいですかね、そこで二股になって、そのあと、ねじれて、お互い巻きついて絡んだまま育った…
―巻きついてくっついたあと、その上でまた2本に戻って伸びて行くんですね。
意味が分からないんですよね、ツルじゃなくて針葉樹でこんなことになってるのは、いままでに見たことないです。
―なぜ、こうなったんでしょうね?
なぜなんでしょう、それが分からない。
―どんな場所にあったんですか?
まだ一度も間伐してなくて混み合って真っ暗な山です。
―隣の木に幹が触れた?
いや、そこまで近くないので、それはないですね。
―では、光を求めて?
う〜ん。断言はできないですけど、そうかもしれないですね…
―というと…
ヒノキはよく枝がねじれるんですよ。若い木でそういうのを見ること多いですけど、葉っぱが光を求めてねじれるんでしょうね。
―それ、関係ありそうですね…
でも、今回のは幹なので…。ただ、そういうこともあるかなと…
そうじゃないと、だれかが幹を結ぶとかして固定しないと、あんなのは作れない 笑
―山の中では存在にすぐ気づきました?
分かりました。ちょっと離れていても、何あれって。
―どんなふうに使えそうでしょう?
あんまり短くしたくないですよね、最低限、この巻きついたエリアを残して、このまま柱にするとか…。
あと、アイアンと組み合わせて、ランプの脚とか。でもちょっと禍々しいかな…笑
(数日後、樹皮剥き作業がありました。様子を担当の小林に聞きました)
―どうでしたか?
こんなの初めてです。
―ふつうより時間がかかりましたか?
そうですね。絡み合った部分の内側の隙間が難しい。
―出来栄え、どうですか?
綺麗にできました! すぐ、売れるんじゃないですか 笑
■素材データ
サイズ:長さ:1600mm、直径:150mm
状態:樹皮剥き、未乾燥
樹種:ヒノキ
伐採時期:2021年12月
重量:15kg
(取材後記)
樹皮を剥いた直後に触らせてもらいました。つるつるです! 存在自体がめずらしい一品。どう生まれ変わるのか楽しみです(木田)。
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。