2023.01.17
第82回 神様が通りぬけた!? スギ
あけましておめでとうございます! え、今更? と思われるかもしれませんが、東京では今日(1月17日)は「山の神」の日。山仕事する人たちのお正月なんです。今日は山に入る仕事はお休みで、安全祈願と新年会…
さて、早速ですが、この何だか形の変わったスギの木ですが、どうしちゃったんでしょう? 販売事業部・吉田に聞きました。
―すごいですね、これ何の木ですか?
スギです。
―どこの現場から出た木ですか?
青梅の成木の現場の木です。
あの現場からはいろんな木が出て来てまして、建築材として製材するのもあったし、原木市場に出荷したのもあったし…
その中にあったのがこれで、現場の班長が「こんなのもありますよ」と取っておいてくれて…
―いいですね。
喜んで持ち帰りました 笑
―面白い形になってますね。
そうなんです。中心の芯だけ腐って、うろになってるんですね。
―なるほど。どういう仕組みでこうなったんでしょう?
はっきりは分かりませんが、雷が落ちたのかもしれません。
―雷ですか?
木は普通、幹の周辺部が腐っても芯は残るものなんです。でもこれは逆に周辺部が残って、芯が腐ってなくなってます。
だから雷が落ちたのかなと…。落雷があると、木は中心部だけ被害を受けるということがあるようなんです。
―そういうことなんですね。
それと、この木、こういう形になってからも、生きてたんですよ。
―そうなんですか?
葉っぱがついてるじゃないですか。水分を吸い上げてたんですよ。
―なるほど、確かに幹はまだ湿ってる感じですね。生きていたんですね…
半分は枯れ木みたいな感じだったかもしれないですが、すごいですよね。
―これで立ってたんですよね?
もちろん、そうです。
―スギは神様の通り道と言われたりしますが、まさに神様が通った?
なるほど。
―ところで、どういう使い方がありそうですか?
ジオラマのように使うとか…。自分が小さくなったマインドで見ると、グランドキャニオン的な荒涼とした景色が広がって…
―面白いです…
それか、普通に考えたら、穴の部分に商品を置くなど、ディスプレイに使うとかですかね…
■素材データ
サイズ:(奥)長さ:2500mm、直径:500mm、(手前)長さ:2900mm、直径:400mm
樹種:スギ
状態:樹皮剥き、未乾燥
伐採時期:2022年10月
重量:(奥)90kg、(手前)60kg
(取材後記)
スギは神様の通り道、と本文にありますが、それは日本にある木で最も長寿で、大きくなる木だからなんです。そのことから、神社の多くがスギをご神木に讃えています。
今回の神様は雷に乗って来たのかもしれないですね 笑
本年もどうぞよろしくお願いします(木田)
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。