2022.05.31
第66回 ”山の宝物”って?
山の現場へ行くときに、ふと見かけたモミの倒木。近寄ってみると…
林業事業部・飯塚に聞きました。
―これ何ですか !?
モミの枝の、付け根付近です。
―枝の付け根?
枝が傷付いたときなんかに、幹に菌が侵入することを防ぐ部分なんです。普段は幹の内部にあります。
―そこ自体、腐りにくいんでしょうね。
そうですね。全体は朽ちたけど、ここは腐らず残ったということなんだと思います。
―それにしても、すごい形ですね。
コーン型 笑
―中が空洞になってるんですね。
そうなんです。そこから枝が伸びてるイメージ。
―なるほど…
一輪挿しなんかに使えるんじゃないですか。
―どこにあったんですか?
檜原の中里というところで、枝打ちの現場に行くときにモミの倒木がありまして…
―近寄ってみたら…
これがありました。
―倒木にはよく近づくんですか?
はい。朽ちた形とかおもしろいですし、こういう変わったものも見つかります。
―なるほど。生きた木からは想像できない、まさに“山の宝物”がそこにあると。
そうなんですよ!
(話変わって、先日弊社にお越しいただいた長野の柳沢林業さんから、ご当地の素敵な“山の宝物”を頂戴しましたので紹介します。その際に応対したマテリアル販売事業部・吉田によると…)
これはアカマツの枝の部分なんです。カトラリーレストとして、ホテルへ納めているそうです。
―そうなんですね。
あまりに質感やルックスが良いので、弊社の商品ではないですが、紹介させていただきますって感じですね 笑
―たしかに、綺麗です。
すごい艶っぽいですけど、自然の色合いなんですよ。
―形も色々ですね。
シカの角みたいのもあって、カッコイイです。
―長野はアカマツが主流なんですよね。人工林の半分くらいがアカマツと聞きました。
そうなんです。これは山を歩いていて見つけたんだそうですよ。
―何気なく見てると気づかないけど、よく見るとその美しさが分かる。
そうなんです。お越しになった方がお話してました。山の整備をしながら、山で見つける宝物みたいなものをどうやって世の中に出していこうか考えてる。これこそ山の恵みですよね、と。
■素材データ(モミの枝 )
サイズ:全長:300mm〜350mm、直径:100mm前後
状態:乾燥
樹種:モミ
重量:1kg前後
(取材後記)
たとえば倒木なんかは、仕事の行き帰りで何気なく見てたりするものなんですけど…
ちょっと別の視線を寄せてみると、そこには“宝物”がいっぱいなんですね(木田)。
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。