2021.07.20
第26回 40cm角! 規格外の”特大角材”に製材所も笑う
これはでかいです。標準的な角材(12cm角)の9本分あるそうです。どんな木なんでしょう?
マテリアル販売事業部・吉田に聞きました。
―これはでかいですね。どこの何の木ですか?
檜原村小沢地区のサワラです 。小沢の伐採現場は、けっこう大きい木があったんですよ。
120年超えてるスギもありましたし…、これはかなり大きなサワラが取れたうちのひとつ。
―どれくらいのサイズだったんですか?
立木の状態で胸高直径60cmはあったと思います。
そのあと丸太にして、細い方の直径、末口直径というんですが、50cm後半ありました。かなり大きい木ですよ。
―樹齢は?
樹齢も100年超えてます。
―で、製材して…
40cmの角材になりました。40cmってベンチにちょうどいいサイズなんですよ。2人で座れます。
これも“サワラの芯腐れ”がありまして…。
―こういう腐りは大丈夫?
これ以上腐りが進行することはないですよ。
前にも芯のないサワラを紹介したことあったじゃないですか。
あれを見た方から太鼓にできないかとお話をいただきまして…
でもあれ、薄くてさすがに無理だったんです。それに比べたら材が残ってるので、そういう使い方もできるかもしれないですね。
―太鼓は芯が腐ってるのがいいんですか?
胴を抜いちゃうから。
―胴を抜く?
太鼓にするのに芯を繰り抜くんです。
―なるほど。
その手間が半分くらい終わってるし、逆に芯が自然に抜けた形跡を残して使ってもおもしろいかなと。
―それにしても大きいですね。
そうだよね。存在としてインパクトがある。流通する規格じゃないですよ。材木を扱ってる人でも、あまり見たことがないサイズ。
製材所で挽いたとき、根っこから40cmの角を取りたいと話したら、みんな笑ってました 笑
木材産業に関係している人たちも、こういうサイズの角を取ることがないんですよ。製材屋さんが笑うなんて、そんなことふつうない…
―根っこに近い部分なんですか?
ほんとに根っこの部分ですね。このタケノコ状の木目を見てください。根張りに近いところです。
それと、ここにほら、伐採するときのチェンソーのあとも少し残ってますね。
■素材データ
サイズ:幅:400mm、長さ:1100mm、高さ:400mm
状態:樹皮剥き
樹種:サワラ
伐採時期:2020年12月
重量:30kg
(取材後記)
初めてみました。こういう大きな角材。持ち込んだ方も、持ち込まれた方も、みんな和やか。笑顔で仕事をしています(木田)。
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。