2021.09.28

第35回 強烈なカタマリ感! 40cmスギ角材

ドーンとした存在感が抜群のスギ角材。1辺が40cmあるそうですが、このサイズはめったにないとか…
マテリアル販売事業部・吉田に聞きました。

―どこの木ですか?

これは檜原村の小沢の現場で林業事業部の飯塚くんたちが伐ってくれたスギの木。その根元に近い部分ですね。

―すごい大きいですね。迫力あります。

そうなんですよ…
サイズが40cm×40cm。長さは60㎝あります。

40cmの角材というのは檜原ではめったにないんですよ。

―そもそも、そのサイズの木があまりないんですよね?

ないですね。いま、檜原の界隈の山は70年生がメインです。スギの70年生だと、大きくて根元近くの直径が45cm。

じゃあこの40cmの角材を取るために、どれくらいのサイズの丸太が必要だったかというと…
(計算する)直径57cmですね。

―どういう計算なんですか?

0.7で割るんです。
丸太を製材して角材にすると、1辺が丸太の直径の約7割のサイズになるんです。
だから、直径57cmの丸太だと0.7を掛けてだいたい40cm。逆に40㎝の角材が欲しければ、40÷0.7で直径57㎝以上の丸太が必要だったということです。

―というと、これは70年以上?

120年生くらいだったんじゃないかって聞いてます。
でも、中に割れが入っていて、板にするとパカっと割れちゃうんです。だから板にはできなかったので、どうしようかなと考えて…
で、角材にしてみようかと。

―どんなふうに使えますか?

スツールはどうでしょうか?
今までスツールといえば丸太を立てて使うのがほとんどでしたけど…この角材のようにも使えるし、長さがあればロングベンチにもなります。

―いいですね。

角材のこのドーンという雰囲気、質感、物量ともすごいですよね。

―たしかに。カタマリです。

―ところで、角材とはいえ、角が少し丸いですね。

耳と呼ばれる丸太の丸み部分を残して、あえて角にしてないんです。かわいくないですか?
あ、研磨した人が来ました。

(工房スタッフ・大倉登場)
―どうやって削ったんですか?

ランダムサンダーという手で持って使う機械で、粗目の60番からはじめて120番まで。
※サンドペーパーの粒子の粗さは「番手」といわれ、数字が小さいほど粗い。

―綺麗ですね。

色味がいいですね。
建物の玄関口なんかに置いたらよさそう。

■素材データ
サイズ:長さ:600mm、幅:400mm、高さ:400mm
状態:樹皮剥き、乾燥、研磨仕上げ
樹種:スギ
伐採時期:2020年12月
重量:50kg

(取材後記)
伐採現場からも近い、弊社運営の工房前での取材中、近所のご婦人方が通りかかりました。「小沢の木ですよ」とお話しすると、「へー」と。「腰掛けにどうですか?」 などなど、そこからしばらく話しが弾み…みなさん、地元の木に愛着いっぱいの様子でした(木田)。

この日記を書いた人

木田 正人

木田 正人

1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。

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