2021.10.12
第37回 まるでバットマン!? ケヤキ1枚板
朽ちて穴が大きく開いた1枚板。木材乾燥場でひときわ目を引きます。
マテリアル販売事業部・吉田に聞きました。
―これは何の木ですか?
ケヤキですね。そんなに大きな木じゃなかったと思いますよ、両端が丸み帯びてますからこの幅くらいの直径の木だったんじゃないかと…
―大きく口開けてますね。
うろですよね。
木が生きてたときに腐った部分が抜けたんですね。
穴をふさごうとして、樹皮ができてますよ、ほら。
―ほんとだ。穴が開いたまま、長く生きてたんですね。
そうですね…で、そのあと製材して乾燥した時点で腐りの進行がストップして、このかたちになったんですね。
―木目も面白いですね。
そうなんです。
ヒノキやスギだったら、単純に根元から上に向かってだんだん細くなって行くから、断面を見ると、根元に近い方は幅の広い年輪、それが上に行くにつれだんだん狭くなってくる。
でも、広葉樹は真っ直ぐじゃない、曲がりもあるし、いろんな力もかかるしで、木目の表情が針葉樹とは全く違ってくる。
―裏も見ましょうか?
(裏返す)
こっちのほうがいくらか赤っぽくて、ケヤキらしいですね。
辺材の朽ちてるところは落としてもいいし、このまま使ってもいいかも。
―何に使いますか?
看板でしょう!
■素材データ
サイズ:長さ:1800mm、幅:500mm、厚み:330mm
状態:樹皮剥き、乾燥
樹種:ケヤキ
重量:20kg
(取材後記)
抜けて穴になった部分のかたちがいいです。「バットマンにしか見えない」と吉田が最後にひとこと(木田)。
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。